ミニチュア・ダックスフンドのペット保険
ミニチュア・ダックスフンドは、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(以下JKC)の2019年飼育頭数ランキングで3位となっており、日本国内でもポピュラーな犬種です。
他の犬と比べ短い足と垂れ耳が特徴的なミニチュア・ダックスフンドですが外耳炎や椎間板ヘルニアなどの怪我や病気になることもあり、今後の医療費を考えペット保険を選ぶ際には、犬種ごとの性格・身体的特徴・かかりやすい病気などを把握しておくことが大切です。

性格・身体的特徴・人気の理由・飼い方
ミニチュア・ダックスフンドは、元々アナグマやうさぎなどの狩猟犬として活躍していたため、活発で飼い主には従順、フレンドリーな犬種として知られています。
狩猟犬を小型化し家庭犬として改良を重ねてきた犬種という背景があります。またダックスフンドには、「スタンダード」・「ミニチュア」・「カニーヘン」という種類があり、日本では「ミニチュア」が最も飼育されています。
基本的性格
ミニチュアダックスの性格は、明るく陽気で好奇心が強く、非常に活発です。やや頑固なところがありますが、賢く、猟犬としてのルーツがあるため順応性があり、しつけや訓練は受け入れやすい性格です。
ただし自立心のある猟犬ですので、飼い主がボスとしての振る舞いをせず、甘やかしすぎると自分がボスと勘違いを起こしてしまい扱いにくくなります。
身体的特徴
ミニチュア・ダックスフンドの体長は体高の約2倍の長さという短足胴長の体型が特徴で、垂れ耳でマズルが長く嗅覚に優れた小型犬です。小さく特徴的な体ですが体は引き締まり非常に筋肉質です。
犬種標準のサイズは各国の協会によって規定が違いますが、ジャパンケネルクラブでは生後15カ月を経過した時点で体重5キロ以下、胸囲35cmが理想とされています。
被毛はスムースヘアード(短い)・ロングヘアード(柔らかく長い)・ワイアーヘアード(硬毛で長い)の3種類です。
毛色は多く、2色の毛色が混じるのは、チョコレート&タン・ブラック&タン・ブラック&クリーム等があります。単色の毛色でレッド・レディッシュイエロー・イエロークリーム・チョコレートが一般的で、ワイヤードについてのみワイルド・ボアー・カラー(野猪色)、デッド・リーフ(枯葉色)、ソルト・アンド・ペッパー(ごま塩色)など特徴的な毛色が存在しています。
人気の理由・飼い方
ミニチュア・ダックスフンドが人気の理由は、短い足と長い胴という特徴的な容姿とフレンドリーな性格があげられます。
飼い主以外の家族や小さな子供や他の犬とも仲良くすることができ、初心者にも飼いやすい犬種と言えます。
生まれ持っている性格は初心者向きですが、健康管理としつけには注意が必要です。
元々アナグマ犬と呼ばれる猟犬として活躍してきた犬種なので、運動量が多く、飼い主の指示を理解する知性をもっている賢い犬種です。
そのため一定の運動量が必要で運動不足になると、ストレスを抱え無駄吠え、室内で暴れるなど問題行動を起こすこともあります。運動不足や食事管理ができていないことにより肥満になってしまうと胴長のためお腹を地面にすってしまったり、先天的に弱い膝・腰に大きな負担をかけケガをすることがありますので注意が必要です。
運動や散歩の注意としては、足が短いため照り返しによる熱中症になり易く、暑い時は足の裏のやけどをすることもあり、夏季の日中の散歩は避けた方が賢明です。
また、室内のフローリングなど滑りやすい床にも配慮が必要で、足の裏の毛のカットも有効です。転倒すると骨折・椎間板ヘルニア・膝蓋骨脱臼になることもあります。
しつけについては、飼い主の指示をよく理解するため幼い頃から正しいしつけをすると優秀な家庭犬になります。
一方で、甘やかし、主人らしい振る舞いをしないなどしつけに失敗すると、ダックスフンドを飼育されている方共通の悩みである猟犬独特の無駄吠えや噛みつきなどの問題行動を起こすこともあります。犬の飼育初心者の場合は、独自のしつけをするよりもしつけの専門家に頼った方が無難と言えます。
被毛のケアについては、ブラッシングと耳の手入れです。被毛の短いスムースは毎日のブラッシングと週一回程度のシャンプーで問題ありません。ワイヤーとロングは毎日のブラッシング・シャンプー以外にできれば月1~2回のトリミングを行うときれいな被毛が保つことが出来ます。
被毛の長さに関わらず、耳はたれ耳のため蒸れやすく、ケアを怠ると常在菌が増え外耳炎にかかりやすくなりますので注意が必要です。
かかりやすい病気・ケガ
足が短く、胴の長い身体的特徴から腰関節、膝関節系疾患や耳の病気はなり易いといわれ、以下の病気・ケガが好発すると言われています。
- 椎間板ヘルニア:背骨と背骨の間にある椎間板が損傷し、変形することで、脊髄や神経を圧迫してしまう病気です。外傷で起こすこともあります。
- 外耳炎(アカラス他含む):耳ダニの感染、傷などの外耳の炎症です。
- 骨折:椅子やソファからの転落などでの四肢の骨折が多くみられます。
- 膝蓋骨脱臼(パテラ):後肢膝関節の脱臼です。外傷性と先天性、遺伝性があります。
- 歯周病:歯肉炎と歯周炎の総称で、歯の表面についた歯垢が原因で炎症が起こる病気です。
ミニチュア・ダックスフンドに必要な補償内容
ミニチュアダックスフンドのかかりやすい病気で高頻度といわれているのは、耳・歯の疾患、関節系の疾患や骨折、椎間板ヘルニアなどのケガです。
通院治療が中心となる耳の病気以外は、手術も念頭に置く必要があるため、通院・入院・手術が補償対象でフルカバープランで日数・回数限度、日額限度のないペット保険をおすすめしております。
椎間板ヘルニアで「入院5日間、通院5日間、手術1回」が必要になった場合


傷病別の必要な補償内容
耳・皮膚の病気
外耳炎はミニチュア・ダックスフンドの代表的な病気です。たれ耳の犬種はミニチュア・ダックスフンドに限らず高頻度で起きます。
症状が軽度の場合、2~3週間程度の通院・投薬で完治しますが、再発し慢性化するケースも非常に多いため、きちんと完治させる必要があります。稀に重度の外耳炎の場合は手術をすることもあります。
外耳炎の治療ついては、通院のみの限定補償型でも問題ありませんが、再発のリスクを考慮すると、限度日数や限度回数のないペット保険が良いと言えます。
またハウスダストや食物によってアレルギー・アトピーを起こすことがあり、耳を含めた全身の湿疹や脱毛などによる、長期の通院治療を想定する必要があります。
口腔内の疾患
犬は虫歯にはなりにくい反面、歯肉炎、歯周炎などのいわゆる歯周病にはなります。一般的にはマズルが短く歯同士の間隔が狭い短頭種や小型犬などが好発種です。ミニチュア・ダックフンドはマズルが長いため当てはまらないように感じますが、例外的な好発種として知られています。
口腔内の治療は、歯石除去を含め全身麻酔が一般的で手術となります。ただし、ペット保険では口腔内治療が対象外となることが多いため注意が必要です。
骨折
骨折は健康なミニチュア・ダックスフンドでも頻発するケガです。運動好きのミニチュア・ダックスフンドは、室内でも走ることもあり、フローリングで滑り転倒し骨折といった事例は多く見受けられます。特に前肢の骨折が多く、骨折した場合は、入院・手術を行います。プレート固定をするケースなどでは再手術もあります。
術後経過を確認するための通院もあり、診療全体をカバーするのであればフルカバータイプ、高額な手術だけでよい場合は補償限定型のペット保険でもよいでしょう。
ペット保険の選び方のポイント

耳の通院や骨折での手術など高額治療など健康トラブルが起きやすいミニチュア・ダックスフンドですが、ペット保険選びにおいては、飼い主さんのライフスタイルや経済力にあったものを選ぶことが大切です。
すべての補償を重視
外耳炎、皮膚炎、骨折などのなりやすいケガ・病気の備えは勿論、それ以外の病気などにも備える場合は、通院・入院・手術に大きな補償で対応するプラチナプランがおすすめです。
通院などの少額補償を重視
頻度の低い高額診療は貯金などで備え、頻発する外耳炎や皮膚炎の備えとして通院補償のみの保険でもよいと言えます。その場合はゴールドプランがおすすめです。
手術などの高額補償を重視
健康でも高額診療費が発生する骨折の手術や万が一の内臓疾患などの大きな病気での手術に備える場合は、手術特化型のパールプランがおすすめです。
年齢ごとの病気・ケガの注意点まとめ
子犬(0-1歳)
耳と皮膚のトラブルと骨折は年齢に限らず注意が必要です。また寄生虫症は、子犬の場合は注意が必要となります。
耳は常に清潔にすることを心がけ、散歩から戻ったら全身を拭くなどを習慣づけましょう。骨折は床に滑りづらいマットを引く、足裏の毛のカットをするなどできるかぎり予防を行いましょう。寄生虫症について、親犬から引き継いでしまっていることもありますので、寄生虫駆除剤での治療を行い根治させましょう。
清潔にしているにも関わらず体を掻く仕草が多い場合は、アレルギーやアトピーを疑い、早めにかかりつけ動物病院の獣医師に相談しましょう。
成犬(1歳- 6歳)
子犬時代に引き続き、目・皮膚のケアは必須ですが最も重要なのは、体重の管理です。元々食欲は旺盛ですので、犬の要求に応じて与え続けると肥満体になってしまい関節疾患などの様々な健康問題が出てきます。適度な運動と、きちんとした食事管理を行いましょう。
また散歩に出る際には、夏は照り返しによる熱中症と火傷に注意しましょう。靴を履いている人間は気付きづらいですが、アスファルトは高温になっており肉球は火傷を負ってしまいます。夏や日差しの強い時期はできるかぎり涼しい時間帯に運動をするようにしましょう。
老犬(7歳以降)
ミニチュア・ダックスフンドは健康管理が上手くいっている場合、寿命は13歳~17歳と他の小型犬種よりも長寿が期待できます。加齢でおきる白内障などに注意しつつ健康管理をしていきましょう。
一方で肥満体になってしまっている場合、加齢ととも関節疾患のリスクが高まり、骨折や関節炎なども起こしやすくなります。
こうした高齢になってからの関節疾患については、手術のための全身麻酔による心臓への負担が大きく実施が難しく根治は望みにくくなります。
辛い晩年を過ごさせないためにも早い段階から健康管理を徹底していきましょう。
犬種分類表
小型犬
- アーフェンピンシャー
- イタリアン・グレーハウンド
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- ケアーン・テリア
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- ア行
- カ行
- サ行
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ヨークシャー・テリア
- ラサ・アプソ
- レークランド・テリア
- マ行
- ヤ行
- ラ行
中型犬
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー オーストラリアン・シェパード
- ア行
- 甲斐犬
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州犬
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コリア・ジンドー・ドッグ
- サモエド
- シェットランド・シープドッグ
- 四国犬
- 柴犬(小柴・豆柴を含む)
- シャー・ペイ
- ジャーマン・ポインター
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- チベタン・テリア
- チャウ・チャウ
- カ行
- サ行
- タ行
- 日本スピッツ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- ブリタニー・スパニエル
- ブル・テリア
- フレンチ・ブルドッグ
- ベドリントン・テリア
- ボーダー・コリー
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボストン・テリア
- 北海道犬
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・ブル・テリア
- ナ行
- ハ行
- マ行
大型犬
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田犬
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アラスカン・マラミュート
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- コリー
- ア行
- カ行
- シベリアン・ハスキー
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャイアント・シュナウザー
- セント・バーナード
- ダルメシアン
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・マスティフ
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐犬
- ナポリタン・マスティフ
- ニューファンドランド
- サ行
- タ行
- ナ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- ハリア
- ブービエ・デ・フランダース
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボクサー
- ボルゾイ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
- マスティフ
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラブラドール・レトリーバー
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
- ワイマラナー
- ハ行
- マ行
- ラ行
- ワ行
ミックス犬
- 両親の犬種が分かっている場合(上記表内に対象の犬種がある場合)、いずれか大きい型に分類します。
- 両親の犬種が不明の場合・両親のいずれかが不明の場合は、下記表のとおり分類します。
種類 |
生後8ヶ月未満 |
生後8ヶ月以上 |
||||
体重 |
6kg未満 |
6〜20kg未満 |
20kg以上 |
10kg未満 |
10〜20kg未満 |
20kg以上 |
分類 |
小型犬 |
中型犬 |
大型犬 |
小型犬 |
中型犬 |
大型犬 |