猫が食欲不振になる原因は?病気や対策を解説│猫の保険
愛猫が急にご飯を食べなくなると、「栄養失調になってしまうのではないか」「病気を抱えているのではないか」と心配になりますよね。猫は食べムラが激しい動物であり、急にご飯を食べなくなってしまうことも少なくありません。
今回は、猫が食欲不振になる理由や、食欲不振を解消する方法について解説します。愛猫の食欲不振に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
猫が食欲不振になる理由5つ
愛猫が突然ご飯を食べなくなってしまうことは少なくありません。猫が食欲不振になる理由としては、以下の5つが考えられます。
- 偏食している
- ストレス
- 発情期
- 老化の影響
- 病気の前兆
まずは、それぞれの理由について見ていきましょう。
偏食している
1つ目は、偏食です。猫は食事に対してこだわりが強い傾向にあり、犬に比べると偏食を起こしやすい動物です。「食感が気に入らない」「味やにおいが好みではない」などの理由で、食べなくなってしまうことがあります。フードを変えたら食べなくなってしまったという場合は、偏食の可能性が高いです。
また、今まで食べていたフードに飽きてしまい、突然食べなくなってしまうこともあります。
そのほか、食事の際に嫌な体験をしてしまい、フードと嫌な記憶が結びついて食欲不振に陥ってしまう場合もあります。たとえば、「ご飯に薬が入っていた」「ご飯を食べた後に吐いてしまった」などです。
ストレス
2つ目は、ストレスです。猫は環境変化に弱く、ストレスでご飯を食べなくなってしまうことがあります。
フードを変えてもご飯を食べてくれない場合は、猫がストレスを感じるような環境変化があったかを振り返ってみましょう。たとえば、以下のような原因が考えられます。
- 引っ越しをした
- ペットが増えた
- 家族構成が変わった
- 家族の生活スタイルが変わった(子どもが長期休みに入った、留守番の時間が増えたなど)
- 猫にとって知らない人が家に来た
食器が汚れている、生活音や人目が気になって食事に集中できない、食事とトイレの場所が近い、など、食事環境にストレスを感じている場合もあります。
猫が安心してご飯を食べられるよう、環境を整えることが大切です。
発情期
3つ目は、発情期による影響です。去勢や避妊をしていない猫は、発情期を迎えて食欲が低下することがあります。
猫の発情期は、犬と違って不定期で訪れるのが特徴です。特に、日照時間が長いと発情期になりやすいとされています。
メスの発情期のサインは以下のとおりです。
- 独特な鳴き声をあげるようになった
- 急に甘えるようになった
- 飼い主や家具に体をこすりつけ、ニオイをつけようとする
- トイレ以外の場所で排泄する
- お尻を高く上げるような姿勢をとる
オスは、メスの発情に反応して発情します。オスの発情期の行動は以下のとおりです。
- 大きな鳴き声をあげる
- 落ち着きがなくなる
- 攻撃的になる
- 尿スプレーをする
老化の影響
4つ目は、老化の影響です。老化によって食欲が低下する原因としては、以下が挙げられます。
- 運動量が減ってお腹が空かなくなる
- 消化機能が衰える
- 食事の場所まで移動するのが億劫になる
- 嗅覚が衰えてフードのにおいを感じにくくなる
また、認知症を発症している可能性も否定できません。食欲低下のほかに以下のような症状が見られる場合は、認知症が疑われます。
- 寝る時間が増える
- 夜鳴きするようになる
- トイレに失敗する回数が増える
- 名前を呼んでも反応しない
- 同じ場所を何度もうろうろする
認知症を完治させる薬はいまだ開発されていません。しかし、猫が暮らしやすい環境を整えたり、投薬治療を行ったりすることで、症状の進行をやわらげられる可能性があります。認知症が疑われる場合は、獣医師に相談しましょう。
病気の前兆
食欲不振の中でも特に注意が必要なのが、何らかの病気の可能性です。食欲不振以外にも以下のような異変が見られる場合は、病気を発症しているかもしれません。
- 元気がなくぐったりしている
- 食事を食べようとするが食べられない
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- 息が荒い
- 水を飲もうとしない
- 排尿がない
具体的には、以下のような病気の可能性が疑われます。
口腔内の疾患 | 口内炎や歯周病、不正咬合など |
内臓の疾患 |
消化器疾患(胃腸炎、胃捻転、腸閉塞、巨大結腸症など)
腎臓病(慢性腎不全など) 肝臓病(肝炎、肝硬変、脂肪肝、胆管肝炎症候群など) 心臓病(肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症など) |
感染症 | 猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウィルス感染症、猫白血病ウィルス感染症など |
そのほか | 異物誤飲、認知症、悪性腫瘍、溶血性貧血など |
食欲不振が症状の病気は多いため、少しでも異変が見られたらすぐに動物病院を受診してください。
猫の食欲不振を解消する4つの方法
病気が原因ではない場合、食欲不振を解消するためにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、猫の食欲不振を解消するための4つの方法を紹介します。
- ご飯を食べやすい環境を作る
- ご飯の与え方を工夫する
- ご飯の種類を変える
- 日ごろの生活サイクルを見直す
ご飯を食べやすい環境を作る
どのフードをあげてもご飯を食べてくれない場合は、猫にとってご飯を食べやすい環境を整えましょう。
猫は、食事に集中しやすい安全な場所でご飯を食べることを好みます。家族やほかのペットに邪魔されないような、人目につかない狭い場所でご飯をあげるのがおすすめです。大きな音がするテレビや洗濯機などからは離して、静かな環境を作るようにしましょう。猫が食事しているところをじっと見たり、食事中に声をかけたりするのも控えてください。多頭飼いの場合は、クレートに入れて別々に食べさせるのがおすすめです。
また、猫は清潔な環境を好むため、トイレと食事の場所を離す必要があります。
食器を変えるのも1つの方法です。平たくヒゲが当たりにくい食器にする、かがまずにご飯を食べられるよう台の上に食器を置く、など工夫しましょう。
ご飯の与え方を工夫する
ご飯の食べさせ方を工夫することも大切です。
フードを人肌程度に温めると、食欲が回復することがあります。特に、ウェットフードは温めることで香りや風味が増します。ただし、温めすぎるのは逆効果なため注意が必要です。
また、飼い主が手からご飯をあげると食べてくれる、という場合もあります。食欲が低下したことに気づいた段階で試してみるのがおすすめです。ただし、毎食やってしまうと、手からでなければ食べなくなってしまう可能性があります。
そのほか、部屋のさまざまな場所にフードを置いたり、転がすとフードが出てくるおもちゃを使ったりするのも効果的です。狩りをしているような気分になり、夢中でご飯を食べてくれる可能性が期待できます。
ご飯の種類を変える
フードに飽きてしまっている場合は、種類を変えてみましょう。
これまでドライフードをあげていた場合は、ドライフードをぬるま湯でふやかしたり、ウェットフードに切り替えたりして食感を変えるのがおすすめです。また、茹でたささみをトッピングする、ささみの茹で汁を混ぜる、という方法もあります。
フードを変える際は、急に新しいフードに切り替えないようにしましょう。まずは今食べているフードの10%ほどを新しいフードにし、徐々に新しいフードの割合を増やしていくとよいでしょう。10日間ほどかけてゆっくり切り替えることで、体に負担をかけることなく自然にフードを切り替えられます。
日ごろの生活サイクルを見直す
日ごろの生活サイクルを見直し、猫にとって適切な食事のタイミングを見極めることも大切です。猫は、ご飯を数回に分けて少しずつ食べるのを好みます。猫がお腹を空かせたタイミングでご飯を与えられるよう、生活サイクルをよく観察しましょう。
自動給餌器を使い、決まったタイミングでご飯を与えられるようにするのもおすすめです。
運動量が少ない場合は、運動量を増やしてお腹を空かせるという方法もあります。おもちゃを使って一緒に遊ぶ時間を増やす、ひとり遊びできるおもちゃを与える、キャットタワーやキャットステップを設置する、などして運動量を増やせるようにしましょう。
おやつでお腹いっぱいになってしまっている可能性もあります。おやつのみでは、1日に必要な栄養を摂取できません。おやつをあげすぎてしまっている場合は、おやつを減らす代わりに総合栄養食を与えましょう。
愛猫のもしもに備えて保険に加入しましょう
愛猫のもしもの怪我や病気のリスクに備えるためには、ペット保険に加入するのがおすすめです。ペットには人間のような公的な保険制度がなく、医療費は飼い主が全額自己負担しなければなりません。ペット保険に加入することで、治療費の補償を受けられます。
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まとめ
愛猫が食欲不振になる理由としては、偏食やストレス、発情期、老化、病気などさまざまな原因が考えられます。猫は食事にこだわる傾向にあるため、愛猫が好むご飯の種類や食感、におい、食事環境などを理解することが大切です。
猫は食べムラが大きい動物ですが、何らかの病気の前兆かもしれません。ご飯の種類や与え方、食事環境などを変えても改善しない場合は、動物病院を受診しましょう。