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【獣医師監修】猫の目の充血や目やに...気になる症状別に原因や考えられる病気、対処法などを解説

猫は吸い込まれそうな魅力的な目をしていますよね。そんな猫の目に目やにが出ていたり、充血していたりすると心配になる飼い主さんは多いと思います。猫は犬ほど目の病気にかかりやすくはありませんが、猫特有の気をつけるべき病気も存在します。
今回は、猫の目の疾患について原因や症状、対処法について詳しく解説します。
病気を理解することで、いざという時に適切な対処を行うことができるので、愛猫の目の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。

猫、上を向く

【症状別】原因と考えられる病気1:涙・目やにが出る

猫、見つめる


猫も人間と同じように、生理現象によって目やにが発生します。生理現象によって発生した目やには茶色味がかかっていて量が少ないのが特徴です。一方で、異常な量の目やにが発生していたり、目が腫れている、膿が出ている場合は次のような病気の可能性があります。

■猫風邪
猫カゼとは、人間でよくある風邪と似た、鼻やのど、咽頭の感染のことを指します。
主な原因となるウイルスは猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスです。
くしゃみや鼻水、食欲不振などの症状が見られ、同時に目の症状も引き起こし、ひどい場合は目やにが固まることで瞼が開かなくなってしまうこともあります。

■結膜炎
結膜炎とは、まぶたの裏側にある結膜が炎症を起こす眼の病気です。
主に猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスなどの感染症が引き金となって発症します。
結膜炎になると、結膜が赤く腫れて涙が出る、目やにが出る、むくむなどの症状が出ます。
ひどい場合には、瞼がくっついてしまい眼が開かなくなってしまうこともあるので注意が必要です。

■ネコクラミジア
ネコクラミジアは多くの場合、結膜炎を起こし、涙や目やにが出ることがあり、鼻水や咳・くしゃみといった人間の風邪に類似した呼吸器症状が起こります。この疾患は、症状が数週間にわたって長期化するケースが多くみられ、重症化すると肺炎になることもあります。

■アレルギー
人間と同じように、猫もアレルギー反応によって皮膚炎の症状や鼻水やくしゃみが起こることがあります。

■流涙症
流涙症とは、目から涙がたくさん溢れてしまう病気です。「涙やけ」とも言われます。 ペルシャ系の鼻が短い猫がかかりやすい病気です。

対処法

■猫風邪・結膜炎・ネコクラミジア
猫風邪・ネコクラミジアはワクチンで予防できるので、なるべく早く接種を行うようにしましょう。発症した際には、周りの猫に感染しないように隔離したうえで、動物病院で診てもらうようにしましょう。薬剤投与で治療を行います。
結膜炎もワクチンで予防することができます。感染してしまった場合は薬剤投与で治療を行います。

■アレルギー
猫のアレルギーとして注意したいのはノミのほか、牛肉や鶏肉、卵、乳製品、穀類などです。動物病院でアレルゲン検査を行い、原因を特定し、対策をとることが大切です。

■流涙症
目の周りが濡れているときは、こまめに拭いてあげるなど清潔に保つよう心がけましょう。特に流涙症を起こしやすい短頭種の猫を飼っている方は注意が必要です。流涙症は、原因に合わせた抗生剤の治療や、目薬での治療が行われます。

【症状別】原因と考えられる病気2:目が白い

座る、見つめる


目が白く見えるのは、本来は透明な部分である角膜、前房、水晶体、硝子体といった目の部分のいずれかが白く濁っているのが原因です。
考えられる疾患として代表的なものでは白内障が挙げられます。白内障は、目の中の水晶体が徐々に白く濁ってしまう病気です。片目もしくは両目ともに発症する可能性があります。
症状として、目やにや涙が出る、歩いている時にふらつく、ぶつかるなどが見られます。
また、進行したブドウ膜炎や角膜潰瘍でも目が白く見えることがあります。角膜炎では目の表面が白変することがあります。直ぐに治療しないと視力を失うこともあります。

対処法

完全室内飼育を行い、外傷の機会を避けることで白内障・ブドウ膜炎・角膜潰瘍になる可能性を下げることができます。白内障は、初期の段階では内科的な治療法が用いられますが、完治させるには外科手術が必要になります。外科治療は眼科の専門医で行われ、眼底などの機能が正常な場合に治療可能となります。ブドウ膜炎や角膜潰瘍は、涙を補ったり分泌を促したりする点眼薬や、感染を抑えるための抗菌薬の点眼薬、角膜の治癒を促す血清点眼(血液から作成する点眼薬)などを使用します。

【症状別】原因と考えられる病気3:目が黒い

猫、スタジオ、舌を出す


猫の目の表面に黒い斑点ができている場合は猫特有の「角膜黒色壊死症」という病気です。
この疾患は、角膜に黒い斑点ができることが特徴ですが、必ずしも黒い斑点ができるわけではなく、こはく色としてみられる場合もあります。黒い斑点は角膜が壊死したもので、その黒い部分は厚くなっていき、脱落することもあります。原因ははっきりわかっていませんが、慢性的な角膜疾患や角膜炎に続発して起こるとされています。
主な症状は以下の通りです。

  • 眼の表面に黒い円形の塊ができる
  • 眼を細める
  • 目やに、涙目、充血
  • 眼を気にしてこする

対処法

角膜黒色壊死症の明確な予防方法はありませんが、発症には外傷や猫ヘルペスウイルス感染との関連が疑われています。完全室内飼育を行い、外傷の危険を避けたり、ワクチン接種を行うのが好ましいでしょう。
角膜黒色壊死症の一般的な外科的治療では、角膜の病変部を切り取った後で、角膜の欠損部を補う処置や手術が行われます。その後、コンタクトレンズの装着などを行い、欠損した角膜を保護します。しかし、角膜黒色壊死症が治る猫は多くはありません。運よく治ったとしてもその痕が白く残ることもあるので、できる限りの予防を行うことが重要です。

【症状別】原因と考えられる病気4:目が大きい

猫、野外、3匹、親子


緑内障により眼球が押し出されることで目が大きく見えることがあります。
緑内障は眼圧(眼の内圧)が上昇することで起こり、それに伴って痛みや視覚障害を引き起こします。一般的には、白内障やブドウ膜炎などの他の眼疾患に伴って発症する続発性のことが多くみられます。緑内障以外の原因として、眼の後ろに腫瘍がある、もしくは眼の後ろに膿が溜まる事で眼が前方に迫り出して、腫れているように見える事もあります。全眼球炎の場合も眼球が腫れて大きく見えることがあります。そのまま放置すれば眼球婁となり眼球が縮小してしまいます。

対処法

緑内障を予防することは困難ですが、早い段階であれば失明しないように治療できる可能性があります。眼の外傷を起こさないために、完全室内飼育にしたり、こまめに猫の目の状態をチェックして、異変があった場合はすぐに病院へ連れていくようにしましょう。
緑内障の治療方法は内科治療と外科治療の2つに分けることができます。
内科治療では主に点眼薬を使用します。眼圧を下げる効果のある成分には、しくみが違う薬剤が複数あるので、眼の状況に合わせて適切な点眼薬を選びます。
外科治療では、レーザー等を使用した眼内手術を行います。手術後に視力が回復しない場合は、眼球を摘出する手術、義眼を入れる手術を行うこともあります。

【症状別】原因と考えられる病気5:見えづらい

猫、横を向く、目を細める


猫の目も、人と同じように病気などで視力が低下してしまうことがあります。しかし、猫は日頃から視力以外にも聴覚や嗅覚、触覚などを使って活動しているため、視力が落ちても日常生活には大きな影響が出ることがなく、見えづらくなっていることに気づけないこともあります。猫によって個体差はありますが、高いところから降りられなくなったり、頻繁に眼を細めたりこすったりするといった行動が見られた場合は、視力の低下を疑うようにしましょう。
猫の視力に障害がでる疾患の代表的なものとしては、前述したブドウ膜炎、緑内障、白内障の他に高血圧性網膜症が挙げられます。
高血圧性網膜症とは、高血圧が原因で網膜に損傷が生じる病気です。この疾患は、腎不全や甲状腺機能亢進症などによる高血圧が原因で発症します。すでに腎臓に何かしらの疾患を持っている猫の場合、目が見えづらい行動が見られたら、高血圧網膜症を疑うようにしましょう。

対処法

高血圧性網膜症の予防方法としては、こまめに血圧を測定することが挙げられます。
すでに腎臓の疾患を持っている猫の場合、最低でも3ヶ月〜半年に1回ほどは測定するようにしてください。高血圧網膜症は、損傷が緩やかであった場合は、損傷が起こってから1週間以内に治療をすれば回復の可能性が高いといわれています。血圧が高い猫の場合、健康診断の際には、眼の診察もしてもらうと安心です。治療は、血圧を下げるとともに、点眼薬を使います。損傷してから時間が経つほど視力回復の見込みが低くなるので、早期発見が非常に重要です。

【症状別】原因と考えられる病気6:目が赤い

猫、エリザベスカラー


目が赤い場合は、まぶたが赤いのか、目の表面が赤いのか、目の中が赤いのかによって考えられる病気が異なります。

まぶたが赤い時には、眼瞼炎(がんけんえん)であることが多いです。
眼瞼炎とは、まぶたの周辺に炎症が発生した状態のことで、上まぶたと下まぶたのどちらにも起こりえます。症状としては、目の周りが赤く腫れる、目の周囲の脱毛・化膿、まばたき・涙が多くなるなどがみられ、結膜炎や角膜炎を伴うことも少なくありません。

目の表面が赤く見えるのは、炎症や充血、出血をしていることが原因です。
結膜炎や角膜炎、ブドウ膜炎、緑内障、網膜剥離などが原因で起こります。

目の中が赤い場合は、眼球内で出血が起きている状態です。眼内出血は失明を起こす可能性が高いため、注意が必要です。原因となる疾患としては、白内障や緑内障の他にも水晶体の脱臼、網膜剥離などが挙げられます。また、高血圧や心臓病を原因とした眼内出血が起こる時もあります。

対処法

眼瞼炎は、まぶたの外傷や病原体への感染によって発症することが多いので、予防として、完全室内飼いにしたり、ワクチン接種を行うようにしましょう。治療法としては、眼瞼炎が他の疾患によって引き起こされている場合は、根本的な原因となっている基礎疾患への治療を行います。感染症の場合は、抗生物質メインの治療となります。また、治療中に猫が目を擦ろうとする際には、エリザベスカラーを装着して炎症の悪化を防ぎます。

水晶体の脱臼においては明確な予防方法はありません。猫が水晶体の脱臼をしてしまった場合は、水晶体の摘出を行います。水晶体の脱臼は、他の眼疾患と併発して発症することが多いのですが、他の眼疾患がなく、自然に片目のみで起こった場合は今後もう片方の目でも脱臼が起こる可能性があります。日頃から反対の目も注意して観察しておきましょう。

愛猫の目の健康を守るために普段からできることはある?

猫、顔、見つめる


目の疾患は発見が遅れてしまったら失明してしまう可能性があるため、早期発見・治療が非常に重要です。愛猫の異変にすぐに気付くためには、毎日の健康チェックが大切です。
以下の項目に当てはまることがないか、毎日チェックするようにしましょう。

  • 涙や目やにが多いか?
  • 膿状や白っぽい目やにが出ていないか?
  • 目をこすっていないか?
  • 赤く充血していないか?
  • 目の周りは赤く腫れていないか?
  • 眼球が白く濁っていないか?
  • 左右の目の大きさや色はいつもと同じか?
  • 黒目以外に黒い部分はないか?
  • 目頭に赤い突起や白い膜が出ていないか?

いつもと違う様子が見られたら、猫の状態をしっかり観察し、必要であればメモをとるようにしましょう。また、目の様子だけでなく、猫の行動にも異変がないかチェックしてください。歩き方や行動がゆっくり慎重になったり、物にぶつかる、呼びかけに反応しない、視線が合わないといった様子がないか注意して観察しましょう。

愛猫のもしもに備えてペット保険に加入しましょう

猫、ペット保険、書類


日頃から愛猫の目の健康チェックをしていても、残念ながら眼疾患にかかってしまうことがあります。突然の手術で高額な医療費がかかる場合もあるでしょう。
そんな愛猫の"もしも"の時のために、ペット保険に入ることをおすすめします。高額になりがちなペットの診療費に備えることで、いざという時に十分な治療を受けさせることができます。

まとめ

猫、下から見つめる


今回は、猫の眼疾患による原因や症状、対処法について詳しく解説しました。
愛猫の目の健康を守るためには、少しの異変に気付き、早めに対処することが重要です。
また、ペット保険に加入することで、もしもの時に安心して治療ができます。ペット保険にはさまざまなプランがあり、どれも補償内容が異なるので、愛猫がかかりやすい病気を理解し、必要性に応じたペット保険を選べるようにしましょう。

アルファ動物病院院長鍋島先生

監修獣医師

鍋島淳 (アルファ動物病院院長)

東京大学卒業後、同大学付属動物病院にて研修。
1979年東京都葛飾区に動物病院を開院、院長に。現在に至る。
東京都獣医師会所属。

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