愛猫の口臭がきつい?原因や病気の可能性、予防・改善策などを徹底解説!
愛猫と過ごすなかで、愛猫の口臭が気になるという飼い主さんは少なくないのではないでしょうか。愛猫の口臭がひどい場合、歯や口腔内の病気の可能性が考えられます。また、歯や口腔内のみならず、消化器官など内臓の異変が原因として考えられる場合もあります。
本記事では、愛猫の口臭の原因や病気の可能性、予防・改善策などを徹底解説していきます。

- 愛猫のきつい口臭の原因とは?
- 愛猫のきつい口臭、病気が原因の可能性はある?
- きつい口臭以外に、こんな症状が見られたら動物病院へ
- 愛猫の口臭の予防・改善策は?
- 愛猫のもしもに備えて保険に加入しましょう
- まとめ
愛猫のきつい口臭の原因とは?

愛猫のきつい口臭の原因はさまざまです。ここでは、口臭の主な原因を3つ紹介します。
1:歯・口腔内のケア不足
口臭の一般的な原因として、不十分な歯・口腔内のケアが挙げられます。歯垢や食べかすなどがニオイの源となります。また、それにより歯肉の腫れや出血がみられたり、歯石ができているような場合は、歯肉炎や歯周病を引き起こしている可能性があります。猫は、歯垢から歯石に変わるスピードが速く、歯石には歯垢が付着しやすいため、悪循環に陥ります。歯周病になると、歯が抜けたり激しい痛みを伴うため、口腔内に異変を感じた場合は早めに受診することがおすすめです。
2:口腔内の乾燥
口の中が乾いているときは、一時的に口臭を放つ場合があります。猫は元々、乾燥地帯の生息ルーツをもち、少量の水分で活動できる生物ですが、こまめな水分補給で口腔内の乾燥を防ぐことができます。
3:食べ物のにおいの影響
鴨肉やアヒル肉など、独特なニオイを放つ肉が使用されたキャットフードを食べた後は、一時的に口臭を感じることがあります。これに関しては、適切なケアをしていれば病気の心配はありません。
愛猫のきつい口臭、病気が原因の可能性はある?

口臭の原因として、病気の可能性も考えられます。次のような病気には注意しましょう。
1:歯肉炎
口腔内環境の不衛生により、歯垢などが細菌の温床となり、歯肉に炎症を起こします。歯茎が赤く腫れる、歯茎に炎症がある、口臭がきつくなるなどの症状があります。
2:歯周病
歯垢が細菌の温床となることで、歯肉炎のみならず歯周病も引き起こす場合があります。歯や歯の周囲にある靭帯、歯を支える骨に炎症を起こし、腐敗臭のようなきついニオイを放ちます。また、症状が進行すると、歯が抜けたり、顔の皮膚に穴が開き歯根に溜まった膿(うみ)が排泄されることもあります。
3:口内炎
舌、歯茎といった口腔内の粘膜に腫れや炎症が起こり、出血やよだれ、口臭がひどくなるなどの症状がみられます。口腔内がただれたり潰瘍ができ、痛みを伴うことで、食欲低下や体重減少がみられることも多く、重度の場合は、水を飲むことが困難になる恐れもあります。
4:口腔内腫瘍
高齢の猫に好発傾向があり、口の中に腫瘍ができるケースがあります。進行が早く、急に腐敗臭のような強いニオイを生じるのが特徴です。良性、悪性ともにみられるため、早期受診がおすすめです。
5:腎機能不全
こまめな水分補給の習慣がない猫は、腎臓病にかかりやすい傾向があります。腎臓機能が低下すると、老廃物を排泄することができず、体内にたまることで口臭の原因となります。進行すると、アンモニアのような刺激臭が特徴的な尿毒症を起こします。
6:肝機能不全
重度の便秘により、口から便のニオイを感じることがあります。便秘に陥る原因はさまざまで、水分不足や運動不足の生活習慣が関連しているほか、消化器官などの内臓が正常に機能していないケースも考えられます。
関連リンクはこちら
7:重度の便秘
肝臓の病気で肝機能が低下すると、肝臓で代謝されるはずの毒素が体内にたまり、口臭が発生することがあります。高齢猫に好発傾向な、急性肝臓病や慢性肝病などにより引き起こされるケースが多いです。
8:腸閉塞
腸閉塞とは、腸が完全に塞がれている、または何らかの内容物が詰まり、深刻な通過障害に陥っている状態です。内容物が排泄されないため、口から便のニオイが生じます。腸管の中が塞がってしまう「機械的閉塞」と腸管の動きに異常が生じている「機能的閉塞(麻痺性腸重積)」があり、いずれも早期発見が大切です。
きつい口臭以外に、こんな症状が見られたら動物病院へ

これまで紹介したように、口臭の原因は重い病気のサインである可能性もあります。特に、口臭以外に、食欲低下や体重減少、口腔内の異常、被毛の艶がなくなるなどの症状がみられる場合は、早期受診がおすすめです。
例えば、口腔内に腫れや赤み、出血がみられる場合は、歯周病や口腔内腫瘍の可能性が考えられます。歯周病の場合は、歯茎が柔らかくなり、歯が緩んだり抜けるケースがあります。一方、口腔内腫瘍は、手術などの大掛かりな治療を必要とする場合があるので、注意が必要です。
また、食欲がなく、嘔吐や下痢、体重減少など、体調の変化を伴う口臭は、何らかの内臓疾患を引き起こしている可能性が考えられます。内臓疾患は、重篤な状態につながる恐れがあるので、速やかに動物病院を受診しましょう。
病院での検査・治療の流れ
ここでは、猫が皮膚病を発症したときの治療までの流れを表にして解説していきます。

①初診
まず、飼い主さんから現在の症状や日頃の猫の様子を聞き、皮膚病を発症した際の原因を洗い出します。

②検査
皮膚病を発症した原因を検査します。患部を直視する皮膚検査や、アレルギー検査、血液検査など、症状に応じた検査を施します。

③処方・処置
臨床症状、検査結果に応じて、必要な処置を施します。

④再診
治療の経過をみて、必要に応じて更なる治療や、予防と対策を施します。
症状 | 治療費 |
歯周病・歯肉炎 | 軽度な場合、歯石の除去のみで処置を終えるケースが多いですが、重度で抜き歯が必要な場合、抜き歯の本数によって10〜20万円あたりで変動するケースが多いです。 |
腎臓疾患 | 治療内容によって異なりますが、腎臓疾患は、入院費+投薬や点滴などの治療費が必要となる場合があります。その場合、1回につき5〜15万円程度が目安です。 |
愛猫の口臭の予防・改善策は?

愛猫の口臭は、日々の習慣や工夫で予防・改善を期待できます。ここでは、その予防・改善策を4つ解説します。
1:歯みがきを習慣づける
口臭の予防・改善のための処置として、毎日の歯磨きが効果的です。猫の場合、歯垢が歯石に変化するまでに7日間といわれており、その間により多くの歯垢を取り除くことが重要です。
ただ、成猫になってから歯磨きを習慣づけることは難しいため、子猫のときから習慣づけることが大切です。猫の歯磨きは、ニオイの原因となる細菌を減らすために、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットを狙って歯垢をかき出しましょう。極細毛ブラシなど、歯周ポケット対策にすぐれた歯ブラシがおすすめです。
近年は、歯磨きが苦手な愛猫のために、猫が好むフレーバーと酵素を含めた歯磨きペーストが販売されており、舐めるだけで口腔内のケアが期待できます。また、毎日の飲み水に混ぜるだけの液体デンタルケアも、時間がないときに効率的にケアができる便利アイテムとして人気です。
2:フードを徐々に変更する
歯に沈着しやすい添加物を多く含むおやつやフードの摂取量によっては、口内環境が悪化して口臭の発生率が高くなるといわれています。例えば、缶詰などのウェットフードは、ドライフードより添加物を多く含んでおり、歯垢・歯石が付着しやすく、歯周病の発生率が高いといわれています。
ただし、いきなりフードを変更すると食べなくなる可能性があるため、例えば、主食としてウェットフードを多く与えている場合、少しずつドライフードの比率を多くするなど、徐々におこなうことがポイントです。
3:水分補給をしっかりとする
口内の乾燥は、口腔内の環境を悪化させ、歯周病や歯肉炎などに繋がる恐れがあります。したがって、細菌が繁殖し、口臭が発生することがあります。そのため、愛猫にはしっかり水分を摂取させることが重要です。
また、水分は口臭予防だけでなく、全身の健康管理にも役立ちます。ただし、先述したように、砂漠のルーツをもつ猫は、積極的に水分を摂取する動物ではありません。水を置く場所や容器、食事など、日頃の生活の中で工夫して水を与えることで、口臭をはじめ、内臓などの健康対策にも繋がります。
4:定期検診を受ける
かかりつけの動物病院を決め、定期的に検診を受けましょう。定期検診を受けていれば、病気の早期発見も期待でき、早い段階で治療を開始することができます。早期治療ができれば、飼い主の金銭的な負担、愛猫の身体的負担が軽減されるだけでなく、愛猫との大切な時間をより長く過ごせるかもしれません。
また、愛猫の体にちょっとした変化があるときや、猫と生活するなかで感じるちょっとした疑問・懸念をすぐ解決するためにも、定期的に検診を受けて、獣医師とコミュニケーションをとっておくことは大切です。
愛猫のもしもに備えて保険に加入しましょう

あなたの愛猫をより長く大切に育てるために、ペット保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。ペット保険「いぬとねこの保険」なら、補償内容や保険料などのニーズに合わせて、3つのプランから選べます。
①プラチナプラン(通院・入院・手術)
②ゴールドプラン(通院)
③パールプラン(手術)
プラチナプランは、幅広い病気やケガのリスクに対応できるプランです。通院・入院・手術をフルでカバーしており、回数上限・日額上限なしで利用できます。
ゴールドプランは、通院をカバーしており、回数上限なし、日額制限なしで利用できるプランです。長期の通院が必要になっても、安心して対応できます。
パールプランは、手術をカバーしているプランです。保険料の負担を抑えつつ、高額な費用がかかる手術に対応できます。
なお、遺伝疾患は補償対象外としている保険がほとんどです。遺伝疾患以外の病気をどのくらいカバーしているかをチェックし、予算を考えたうえで、自分にあったペット保険を選びましょう。
まとめ

いかがでしたか。今回は、猫の口臭の原因や病気の可能性、予防・改善策などを解説しました。口臭が発生した場合は、生活の中で工夫を施したり、口腔内や体調に異変がみられるときは早急にかかりつけの動物病院で診察を受けることがおすすめです。また、愛猫とより長く大切な時間を過ごすために、保険の加入を検討してみるのも良いかもしれません。
猫の知識コラム
- 猫の年齢は人間の年齢に換算すると何歳?平均寿命や長生きのポイントなどを徹底解説!
- 猫の発情期はいつから始まる?見られる行動や対策方法などを徹底解説!
- 猫の発情期は何か月から?期間や行動、困った行動への対策などを解説!
- 猫の鳴き声から分かるサインを徹底解説!うるさいときの対処法も紹介!
- 猫の爪切り《獣医師監修》切り方のコツや嫌がる猫の対処法などを紹介
- 猫のしつけ方とコツを紹介!いたずらやトイレ、噛み癖の対策を解説猫のしつけ方とコツを紹介!いたずらやトイレ、噛み癖の対策を解説
- 猫が便秘になったらどうする?原因・症状、解消法を解説
- 猫の飼い方ガイド:心構えや準備しておくべきものを一挙紹介!|猫の保険
- 猫の性格は色や柄・模様で決まる?特徴や性格別の猫の種類を紹介!|猫の保険
- 猫にチーズをあげてもいい?注意点や与えすぎた場合の対処法
- 猫のペット保険の必要性は?メリット・デメリットや加入の流れなどを解説!
- 【獣医師解説】猫の予防接種の必要性とは?ワクチンの種類や予防できる病気を紹介
- 【獣医師解説】猫のくしゃみの原因は?症状から考えられる病気や予防方法を紹介
- 猫の平均寿命は?ご長寿猫は何歳まで生きた?
- 猫の目やにの原因とは 危険な症状や対処法、目薬のさし方を徹底解説
- 猫風邪とは?症状や危険性、原因、治療方法・費用などを徹底解説
- 猫がチョコレートを食べるとどうなる?症状や危険性、応急処置の方法を紹介
- 猫に牛乳を与えるのはNG?与え方や注意点、与える効果について解説
- 猫に寄生するマダニを徹底解説!種類や症状、予防対策をご紹介
- 猫が吐いた!嘔吐したもので分かる原因や危険性、対処法、考えられる病気などを解説
- 猫の目の充血や目やに...気になる症状別に原因や考えられる病気、対処法などを解説
- 猫に玉ねぎを与えてはいけない理由とは?引き起こされる症状や対処方法などを徹底解説
- 猫が咳をする原因は?病気の可能性やすぐに受診すべき症状などを徹底解説!|猫の保険
- 猫の鼻水の原因とは?病気の可能性や病院での治療の流れ、自宅での対処法|猫の保険
- 猫は熱中症になりにくい?症状や対策・対処法などを解説|猫の保険
- 猫が水を飲まない理由は?病気の可能性や飲ませるための工夫・対処法など|猫の保険
- 猫の皮膚の病気の原因や症状、診察~治療までの流れを解説!|猫の保険
- 愛猫の口臭がきつい?原因や病気の可能性、予防・改善策などを徹底解説!
- 野良猫を保護するには?保護する前に必要な心構えや注意点を医師が解説!
- 【早見表あり】猫の年齢を人間の年齢に換算する方法などを解説!
- 初めて飼う人におすすめ!猫を選ぶ際のポイントと猫種ランキング
- 子猫が鳴く理由と、鳴き声に隠された意味とは?成猫の鳴き声や病気の可能性なども解説
- 猫がゴロゴロと鳴く意味は?仕組みや見分け方などを徹底解説!
- 猫の肉球はかわいいだけじゃない!役割や色と毛の柄・性格の関係性などを徹底解説!
- しっぽの動きから分かる猫の気持ちとは?猫の種類や性格も解説!
- 猫がふみふみする理由とは?しぐさから分かる気持ちを解説!
- 飼い方
- しつけ・育て方
- 健康・病気
- 豆知識