犬と猫のペット保険|いぬとねこの保険

お電話でのお問合せは0120-34-9766営業時間:平日10:00〜17:00 土日・祝日・年末年始を除くお電話でのお問合せは0120-34-9766営業時間:平日10:00〜17:00 土日・祝日・年末年始を除く メニュー

猫の慢性腎臓病(腎不全)とは?症状や原因、ステージ分類、治療・予防法などを解説|猫の保険

猫の慢性腎臓病(腎不全)は、腎臓の機能が徐々に低下していく病気です。猫は腎臓病になりやすく、慢性腎臓病は猫の死因の多くを占めています。高齢の猫は特に注意が必要です。今回は、猫の慢性腎臓病の症状や原因、治療方法や予防法などを解説します。慢性腎臓病について理解を深め、愛猫の異常にすぐに気づけるようにしましょう。

猫

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)とは?

横たわる猫


猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)とは、腎臓の機能が年月とともに低下していく病気です。

腎臓病には、急性腎臓病と慢性腎臓病があります。急性腎臓病は、感染症や中毒などが原因で肝臓の機能が急に低下してしまう病気です。病状が急激に悪化してしまうことが多いですが、早期発見できれば回復する可能性があります。

一方、慢性腎臓病では、長い年月をかけて徐々に腎臓が機能しなくなります。老齢期の猫が発症する可能性が高く、猫の死因となりやすい病気です。

慢性腎臓病は完治が難しいため、治療で症状を緩和させながら長く付き合っていく必要があります。

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)の症状は?

寝転ぶ猫


猫の慢性腎臓病の症状としては、以下があります。

  • 水をよく飲むようになる
  • おしっこの量が増える
  • 食欲不振・体重減少
  • 元気がない
  • 嘔吐
  • 貧血
  • 口内炎や胃炎などの炎症が起きやすくなる
  • 被毛のツヤがなくなる

慢性腎臓病は、症状に気づいたときにはすでに進行しているケースが多いです。

異変に気づくきっかけとなるのが、多飲多尿です。腎臓の機能低下により尿が濃縮されなくなり、薄い尿を大量にするようになります。その結果体内の水分が不足し、水を飲む量が増えるのです。この段階で、腎臓の機能はかなり失われているとされています。

その後、元気がなくなり食欲不振や体重減少などの変化が現れます。

症状が進行すると、尿毒症を引き起こします。尿毒症とは、老廃物や毒素の排出が難しくなり、体内に蓄積してしまう病気です。その結果、口内炎や胃炎といった炎症や、嘔吐や貧血などの症状が頻繁に見られるようになります。最終的には腎臓がまったく機能しなくなり、死に至るのです。

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)の原因は何?

ペットシーツと猫


慢性腎臓病の原因は特定されていません。細菌やウイルスによる感染や免疫疾患、外傷、尿路閉塞などが原因と考えられています。

また、偏った食生活で腎臓に負担がかかっていたり、水を飲む量が少なかったりすると、慢性腎臓病になりやすいとされています。

先天的に腎臓の発育が悪いという場合もあるため、慢性腎臓病になってしまったからといって、自身を責める必要はありません。今後どのように腎臓病と付き合っていくかを考えることが大切です。

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)になりやすい猫種

以下の猫種は、特に慢性腎臓病になりやすいとされています。

  • ペルシャ
  • シャム
  • アビシニアン
  • ソマリ

しかし、腎臓病はすべての猫が注意しなければならない病気です。猫はあまり水を飲もうとしない動物です。そのため、腎臓に負担がかかりやすく、腎臓病になりやすいと考えられています。

特に、高齢期になると発症する確率が高まります。15歳以上では3〜4割が慢性腎臓病を発症しているとも言われており、注意が必要です。

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)の診断・検査方法

動物病院で診察を受ける猫


慢性腎臓病の検査では、以下のような検査が行われます。

  • 血液検査
  • 尿検査
  • レントゲン検査
  • 超音波検査

血液検査では、クレアチニンや尿素窒素、SDMA(対称性ジメチルアルギニン)の量が正常であるかをチェックします。これらの物質は腎臓から排出されるため、血中濃度が高い場合は腎臓の機能が低下していると考えられるのです。

尿検査では、尿比重や尿中たんぱくクレアチニン比などを確認します。尿比重とは、水に対する尿の重さの比のことです。腎臓の機能が低下すると、尿が薄くなり尿比重が低下します。

また、レントゲン検査では腎臓のサイズや尿路結石の有無、超音波検査では腎臓のサイズや構造などを調べられます。

ただし、猫の状態やタイミングによって検査結果が変わる可能性があるため、注意が必要です。

たとえば、尿の濃度は朝と日中でかなり異なります。尿比重を測定する際は、比重が高い朝に採取した尿を使用することが大切です。

また、クレアチニンの濃度は筋肉量に左右されます。筋肉量が少ない老齢期の猫は、クレアチニンの濃度が低く測定される可能性が高いです。

そのほか、食事を摂ったタイミングで結果が変わってしまうこともあるため、検査前の過ごし方については必ず獣医師の指示に従いましょう。

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)のステージ分類について

猫の慢性腎臓病は、4つのステージに分けられます。

ステージ1は、初期ではっきりした症状が見られません。血液検査で異常が見つかるケースも少ないです。しかし、尿比重の低下や尿中のタンパク質量の増加、腎臓の形の変化などが見られることがあります。ステージ1で慢性腎臓病に気づくためには、動物病院で検査を受ける必要があります。

ステージ2は、多飲多尿の症状が見られる段階です。そのほか目立った症状が見られることは少ないため、ステージ2で気づけない可能性もあります。尿の色や水を飲む量などに変化を感じたら、すぐに動物病院に連れていくことが大切です。

ステージ3では、老廃物や毒素の排出がうまくいかなくなり、尿毒症を発症します。その結果、食欲不振や嘔吐といったわかりやすい症状が見られるようになります。腎臓の機能はかなり低下していますが、生命の維持に必要な機能はかろうじて残っているため、再生医療で対応できる可能性があります。

ステージ4は、尿毒症がさらに悪化した重篤な状態です。残っている腎臓の機能は5%以下とされており、集中的に治療をしなければ命を落としてしまいます。

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)の主な治療方法と費用

点滴を受ける猫


腎臓の機能は、一度低下すると元には戻りません。そのため、完治させることはできません。しかし、治療で進行を遅らせることは可能です。

治療方法としては、食事療法や点滴、投薬などが挙げられます。

食事療法では、後述のようにタンパク質やリン、ナトリウムなどの含有量が少ない食事を与えます。初期から食事療法を続けることで、腎臓への負担を抑えて症状の進行を緩やかにできるでしょう。

点滴では、静脈点滴や皮下点滴などを通して体内の水分量を増加させ、老廃物の排泄を促します。

投薬では、腎臓の負担を軽減するACE阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬、機能低下を抑制するプロスタサイクリン誘導体製剤、リンを排出させるリン吸着剤などを投与します。

そのほか、病院によっては透析で老廃物の排出を促す場合もあります。

慢性腎臓病では通院治療が必要です。治療費は治療内容によって異なりますが、毎月1〜2万円程度かかるケースが多く見られます。

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)におすすめの食事・サプリメント

慢性腎臓病(慢性腎不全)の治療では、タンパク質やリン、ナトリウムなどの含有量が少ない食事を与えます。尿毒症により、老廃物や毒素が体内に蓄積するのを防ぐためです。
腎臓病用の特別療法食が存在するため、獣医師の指示に従って与えましょう。

また、腸内のタンパク質やリンなどを吸着し、排出を促すサプリメントも存在します。獣医師に相談のうえ、食事療法を行ってください。

猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)の予防方法はある?

ご飯待ちの猫


慢性腎臓病を予防するためには、腎臓になるべく負担をかけないようにすることが大切です。

具体的には、水をこまめに飲ませる、タンパク質やリンなどが過剰に含まれている食事を与えない、などの方法が挙げられます。

特に、猫は水をあまり飲もうとしないため、新鮮な水をいつでも飲める環境を整えることが必要です。水はこまめに取り替え、猫が嫌がる場所に給水機を置かないようにしましょう。
どうしても水を飲もうとしない場合は、水分量が多いウェットフードを与えるのも効果的です。

また、定期的に健康診断に行くことも欠かせません。慢性腎臓病は発見が遅くなりやすい病気です。症状に気づいたときにはかなり進行している可能性があります。半年〜1年に1度は健康診断を受け、愛猫の異常にすぐに気づけるようにしましょう。

愛猫のもしもに備えて保険に加入しましょう

飼い主に抱っこされる猫


猫の慢性腎臓病は、発症すると通院治療の継続が必要です。そのため、トータルで見るとかなりの医療費が発生します。

経済的な理由で必要な治療を続けられなくなるリスクを防ぐためには、ペット保険に加入するのが効果的です。

まとめ

ご飯を食べる猫


猫の慢性腎臓病は、高齢の猫によく見られる病気です。猫の死因の多くを占めており、一度発症すると完治しません。しかし、治療で進行をやわらげることは可能です。慢性腎臓病は、気づいたときには症状がかなり進行しているケースが多いため、日頃から体調をよく観察する習慣をつけましょう。また、定期的に健康診断を受け、早期に異常に気づけるようにすることも大切です。