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【獣医師監修】猫のてんかんとは?対処方法や症状、原因を紹介|猫の保険

よく「脳に嵐が起こる」と表現される、脳の機能障害「てんかん」。人間や犬での報告事例がよくあるなか、猫での報告事例も少なくありません。愛猫のてんかんを目の当たりにしたときは、突然の激しい発作に驚き焦ってしまうと思いますが、落ち着いて、いち早く動物病院を受診することが大切です。

そこで今回は、猫がてんかんを起こしたときの対処方法や症状、原因を紹介します。

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猫のてんかんとは?

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てんかんは、脳に起こる障害ですが、脳の構造そのものは正常で、機能にだけ異常が起こる病気です。てんかん発作は、体の一部だけ痙攣する部分的な発作から全身が痙攣すような大きな発作まで症状が異なります。また、発作の時間や起こる間隔もそれぞれです。

また、発作は通常、30秒〜5分以内ですぐ治まり、その後は何事もなかったかのように過ごします。しかし、発作の時間や発作の起こり方によっては重症と判断され緊急性を伴う場合もあるため、注意が必要です。

てんかんが起こる原因は不明な点が多く、血液検査や画像診断などを用いて検査する必要があります。

てんかん重積とは?

「てんかん重積」とは、1回のてんかん発作が5分〜10分以上続いたり、短い発作が意識の戻らないうちに繰り返し起こった場合の重症なてんかん発作を指します。そのような場合は、緊急性が高いためすぐに動物病院を受診しましょう。

猫のてんかんの症状

全身発作

全身発作が起こる前兆として落ち着きがなくなったり、飼い主へ執着するような行動がみられます。そして、発作中は次のような症状がみられます。

  • 意識が朦朧としている、または意識がない
  • 四肢が硬直する
  • パドリングのような動き、またはランニングのような動き
  • 咀嚼、歯軋り
  • よだれがダラダラとでる、または泡を吹く
  • 失禁

部分発作

部分発作には次のような症状がみられます。ただ、全身発作のように大きい発作ではなく、また発作の時間や程度がさまざまであるため、認識しづらいといわれています。

  • 過剰によだれがでる
  • まぶたや顔の痙攣
  • 異常な姿勢(頭、首、手足が不自然に曲がる)
  • 異常行動(突然、一直線に駆け出すなど)
  • 過度な発声、またはうなり声

猫のてんかんの原因

てんかんは、脳から伝達される電気信号に異常が生じることで、脳機能が乱れ適切な情報の命令や受け取りができなくなることから発作が起こります。

発作が引き起こされる原因には、脳の内側 (頭蓋内) で起こるものと脳の外側 (頭蓋外) で起こるものに分けられます。例えば、脳の内側であれば、腫瘍、脳の炎症、脳奇形、脳卒中など、脳内の構造的疾患、または脳内の機能的な問題によるものが考えられます。一方、脳の外側であれば毒素、または糖尿病や腎臓・肝臓の病気などの代謝性疾患によるものや、猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスなどの感染性中枢神経系疾患など、外的ウイルスによるものが考えられます。

てんかんにかかりやすい猫種はいる?

てんかんにかかりやすい猫種は特にないとされており、どの猫種でも引き起こされる疾患です。猫のてんかんは、猫全体の0.5%(200頭に1頭)の割合で発生するといわれており、犬が発生する割合より少ないとされています。

猫のてんかんの治療方法を紹介

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投薬

てんかんの投薬治療は、発作を抑えるための薬を投与します。治療対象に明確な基準はありませんが、1〜2ヶ月に1回以上のペースで発作が引き起こされる猫に施すことが多いです。また、薬で発作を完全になくすことはできず、あくまで発作の回数を減らすために投与されます。治療の最終目標は、発作の頻度を「3ヶ月に1度」まで減らすことです。その状態になるまで猫によっては数年かかる場合があります。

投薬時の注意点

愛猫がてんかんを引き起こした場合、基本的に投薬治療は一生涯必要になります。症状がよくなったと思って投薬を途中でやめてしまうと、症状が悪化してしまう恐れがあるので注意が必要です。投薬治療は、薬を飲みながら定期的に血液検査をおこない、発作の回数と血液中の薬の濃度をみながら投薬量や投薬頻度を決めていきます。獣医師に相談なく投薬をやめないようにしましょう。

猫のてんかんの治療費の相場

てんかん発作を起こした場合、1回の受診でどのくらいの治療費がかかるのでしょうか。次の表は、保険会社の保険金請求データをもとにした治療費の目安です。


診療項目(内容) 金額(円)
診察 600円〜
内服薬 4,500円〜5,700円
処方 500円
合計 5,600円〜

診察においては、血液検査やMRI検査、神経学的検査が実施された場合は数万円単位での請求になることがあります。

※金額はあくまで一例であり、平均・水準を示すものではありません。
※各診療項目の金額は動物病院によって異なりますのでご了承ください。

猫のてんかんの予防法は?

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てんかんにならないための有効的な予防法はありませんが、発作を予防するための方法はあります。てんかん発作が引き起こされる脳機能の乱れは、大きな音や強い光、不安や緊張状態が原因となることがあります。そのため、ストレスのない落ち着いた生活環境を整えることが、てんかん発作の予防につながるといえるでしょう。

猫のてんかんが起きた時、飼い主はどうすればいい?

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愛猫のてんかん発作を目の当たりにした場合、できるだけ落ち着いて、猫の体を揺すったり触ったりしてはいけません。まずは、高いところから落ちたり、物にぶつかったりしてケガをすることがないかを確認することが大切です。そして、発作の様子をスマートフォンなどで撮影しておくと、発作の症状や時間がわかり、獣医師にみてもらうことができます。また、次の項目について観察・記録しておくと、スムーズな治療につながります。

  • 発作が始まった日時
  • 普段の食事(フードの種類、おやつの量や頻度)
  • 発作は断続的か、一定間隔か
  • 睡眠、食事、運動において異変はあるか(食欲不振、運動を嫌がるなど)
  • 興奮する出来事があったか
  • ノミ駆除薬や市販の駆虫薬などの薬やサプリメントを服用したか
  • 毒物や毒素が体内に入るようなことがあったか

愛猫のもしもに備えて保険に加入しましょう

ペット保険


猫のてんかんは、有効的な治療法がなく、一生涯の治療が必要になる可能性がある難しい病気です。もし、てんかん発作を起こした場合、薬の投与や通院など、多額な医療費がかかります。そのような万が一の場合に備え、ペット保険に加入することを検討しても良いかもしれません。

まとめ

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いかがでしたか。今回は、猫がてんかんを起こしたときの対処方法や症状、原因を紹介しました。てんかんは有効的な治療法がない難病とされており、一生涯、薬の投与や通院が必要になるケースもあります。もし、愛猫がてんかん発作を起こした場合は、落ち着いて対応し、また、日頃からストレスのない生活環境を整えてあげましょう。

アルファ動物病院院長鍋島先生

監修獣医師

鍋島淳 (アルファ動物病院院長)

東京大学卒業後、同大学付属動物病院にて研修。
1979年東京都葛飾区に動物病院を開院、院長に。現在に至る。
東京都獣医師会所属。

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