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【獣医師監修】犬のフケの原因とは?病気の可能性はある?治療法や予防・対処法などを徹底解説!

犬も、人間のようにフケが発生します。フケが発生するのは自然なことですが、フケの量が多すぎる場合は、皮膚にトラブルが起こっている可能性があります。特に、病気が原因で皮膚に異常をきたしている場合があるため、注意が必要です。

今回は、犬にフケが発生する原因や、フケの原因となる病気、治療法や予防法などを解説します。愛犬のフケが気になる方や、愛犬と長く一緒に過ごしたい方は、ぜひご覧ください。

犬、2頭

そもそもフケとは?

ブラッシング、イメージ


そもそもフケは、古い皮膚の角質が剥がれ落ちたものです。皮膚の表面である表皮は、4つの細胞層で構成されています。最も下にある基底細胞層で表皮の細胞が作られ、細胞層を押しながら上がってきます。最も表面にある角質細胞層に到達すると、フケとして剥がれ落ちるのです。

フケが発生すること自体に問題はなく、むしろ新陳代謝が適切に行われていることのあらわれです。

しかし、フケの量があまりにも多い場合や、大きなフケが見られる場合は、注意が必要です。

フケが増える理由

皮膚の細胞が入れ替わるサイクルのことを、ターンオーバーといいます。犬のターンオーバーは約20日前後といわれており、正常なターンオーバーで発生したフケは、ほとんど目立ちません。

しかし、何らかのトラブルでターンオーバーが早まると、本来剥がれ落ちるはずでなかった角質も剥がれてしまうため、フケが増えるのです。

角質は、皮膚を守る重要な役割を担っています。角質が必要以上に剥がれてしまうと、皮膚を守る機能が弱まり、さらにターンオーバーが早まってフケが増えてしまいます。

皮膚を健康に保つためには、適切なお手入れや治療が欠かせません。

犬のフケの原因は一体何?

秋田犬、冬


犬のフケは自然に発生するものですが、過剰に発生する場合は、以下の原因が挙げられます。

  • 皮膚の乾燥
  • 誤ったスキンケア
  • ストレス
  • 栄養の偏り

それぞれについて見ていきましょう。

1:皮膚の乾燥

皮膚が乾燥すると、ターンオーバーの周期が早まり、フケが増えます。特に冬場は、空気が乾燥し、皮膚も乾燥しやすいです。犬の皮膚は、人間よりも角質が薄いため乾燥に弱く、ケアが欠かせません。

冬は、空気の乾燥だけでなく、暖房を使用することで部屋が乾燥しやすくなる点にも注意が必要です。ホットカーペットやこたつを使用している場合は、熱源に近い皮膚が非常に乾燥しやすいため、保湿に注意しましょう。加湿器を使用するのもおすすめです。

2:誤ったスキンケア

シャンプーやブラッシングなどのスキンケアが不十分な場合、フケが発生してしまいます。こまめにケアをしてあげることが大切です。

しかし、過度なスキンケアも厳禁です。シャンプーをしすぎると、皮脂が落ちすぎてしまい、乾燥によってフケの原因となります。ブラッシングのやりすぎも、皮膚へのダメージにつながるため控えましょう。保湿力があるシャンプーを使用する、予め泡立ててから皮膚につける、などの工夫が効果的です。汚れが気になり、こまめに体を洗いたい場合は、お湯だけで汚れを落とすのもおすすめです。

さらに、いくらスキンケアをしていても、犬に合わないケアをしてしまっては意味がありません。成分が合わないシャンプーを使ったり、ブラシで皮膚を傷つけたりしないようにしましょう。

3:ストレス

犬に過度なストレスがかかると、免疫力が落ちて皮膚の健康状態が損なわれ、フケが増える可能性があります。保湿やスキンケアに注意しているにもかかわらず、多くのフケが発生している場合は、ストレスを疑いましょう。

ストレスは、フケだけでなく、犬の健康状態にさまざまな影響を及ぼします。生活環境や、留守番の頻度、運動量などを見直すことが大切です。

栄養の偏り
食事による栄養の摂取において、脂肪分の不足、塩分の過剰、刺激物の摂取等によってフケが出ます。塩分の強いハム等を多く与えると不けがでます。また、ビタミン類などの摂取に偏りが有ればフケが増えます。このようにバランスの取れた栄養の摂取に努めないとなりません。

犬のフケの原因となる病気はある?

チワワ、寝転がる


病気が原因で、フケが発生することもあります。フケの原因となる病気は、皮膚炎や脂漏症、甲状腺機能低下症、脱水・栄養失調などです。さらに、皮膚炎にも多くの種類があり、原因や症状の重さなどが異なります。

ここでは、犬のフケの原因となる病気について、原因や症状、治療方法などを解説します。

1:感染性皮膚炎

感染性皮膚炎は、細菌によるもの、カビによるもの、寄生虫によるものの3つに分けられます。

ここでは、感染症皮膚炎のうち、フケの原因となる以下の6つについて解説します。

<細菌による皮膚炎>

  • 膿皮症

<カビによる皮膚炎>

  • マラセチア皮膚炎
  • 皮膚糸状菌症

<寄生虫による皮膚炎>

  • 皮膚疥癬症
  • 毛包虫(ニキビダニ)症
  • ツメダニ症

①膿皮症

膿皮症は、ブドウ球菌が異常に増え、毛穴に入り込むことで発症する皮膚炎です。ブドウ球菌は、犬の皮膚に存在する常在菌の1つです。正常時には問題がないものの、免疫力が低下したり、間違ったスキンケアをしたりすることで、ブドウ球菌の数が異常に増えてしまいます。結果、皮膚が化膿し、フケやかゆみ、色素沈着や脱毛といった症状を引き起こすのです。

膿皮症の治療では、抗生物質が投与されます。治療にかかる期間は、膿皮症のタイプによって異なります。表皮に発症する表在性膿皮症の場合は、3週間ほどでよくなるケースが多いです。一方、真皮に発症する深在性膿皮症の場合は、3ヶ月ほど服用しなければならないこともあります。


②マラセチア皮膚炎

マラセチア皮膚炎は、カビの1種であるマラセチアによって生じる皮膚炎です。マラセチアは、犬の皮膚に存在する常在菌です。皮脂を栄養にして増殖し、脂漏症やアトピー性皮膚炎、甲状腺機能低下症などを患っている場合は、マラセチアが過剰に増えてしまい、皮膚炎につながります。

症状は、フケやかゆみ、皮膚のベタつき、皮膚からのカビっぽい臭いなどです。

マラセチア皮膚炎は、皮脂が多い犬種によく見られます。シーズーやウェスト・ハイランド・ホワイトテリア、ミニチュア・シュナウザーなどは注意が必要です。また、湿気が多くなる梅雨や夏に、症状が悪化する可能性があります。

マラセチア皮膚炎の治療では、抗真菌剤を投与する全身療法や、シャンプーや塗り薬でマラセチアの数を減らす外用療法が行われます。特に、殺菌用の薬用シャンプーを使用したシャンプー療法が効果的です。シャンプー後は、乾燥を防ぐために保湿剤を用いて保湿する必要があります。


③皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症は、カビの1種である糸状菌によって引き起こされる皮膚炎です。糸状菌は角質や爪、傷などから侵入し、増殖して毛穴の中に入ります。

感染すると、フケや皮膚の赤み、脱毛といった症状が見られます。糸状菌は円状に増殖する傾向にあるため、円形脱毛が現れるのが特徴です。

皮膚糸状菌症は、ほかのペットにも感染するため、多頭飼いの家庭は特に注意が必要です。糸状菌の種類によっては、人に感染するリスクもあります。

皮膚糸状菌症の治療では、抗真菌薬の投薬治療や薬用シャンプーを用いた外用療法などが行われます。症状が軽い場合は、シャンプー療法や外用薬の塗布のみで済むケースも珍しくありません。細菌感染も見られる場合は、抗生剤を使用することもあります。


④皮膚疥癬症

皮膚疥癬症は、ヒゼンダニというダニによって引き起こされる皮膚炎です。ヒゼンダニは、被毛がない皮膚を好んで生息するため、お腹や肘、耳などで症状が見られます。ヒゼンダニに感染した犬に直接触れることで、人間やほかの犬にも簡単に伝染するため、注意が必要です。

皮膚疥癬症を発症すると、初期は皮膚に丘疹(赤いポツポツ)が見られます。その後、すぐにかゆみが強くなり、皮膚の赤みや脱毛などの症状につながります。犬がかけない部分には、黄色いフケが発生するのが特徴です。

皮膚疥癬症の治療では、ダニを駆除するため、投薬治療が行われます。多頭飼いの場合は、症状が出ていなくても、接触したすべての犬に対して治療を行わなければなりません。


⑤毛包虫(ニキビダニ)症

毛包虫(ニキビダニ)症は、毛包虫というダニが毛包や皮脂腺に寄生し、増殖することで引き起こされる皮膚炎です。毛包虫は、多くの哺乳類の皮膚に常在している寄生虫ですが、免疫力が低下すると皮膚に影響を及ぼします。シーズーやフレンチブルドッグ、ブルドッグなどの短頭犬種や、ウェスト・ハイランド・ホワイトテリアなどは、特に発症しやすいため注意が必要です。なお、犬に寄生する毛包虫は、人間やほかの動物には寄生しません。

症状としては、脱毛や色素沈着などが挙げられます。かゆみや赤みなどはあまり見られません。しかし、ほかの感染症を併発した場合は、かゆみが強くなったり、皮膚がただれたりします。

治療では、シャンプーを使った外用療法や、殺ダニ効果のある薬の投与、細菌感染を伴う場合は抗菌薬の投与が行われます。


⑥ツメダニ症

ツメダニ症は、イヌツメダニが寄生することで発症する皮膚炎です。イヌツメダニは肉眼で確認できるサイズであり、「歩くフケ」とも呼ばれています。ツメダニ症を発症している動物との接触のほか、使用した衣服やブラシとの接触でも伝染します。ノミやハエ、シラミなどが運んでくる可能性もあり、ヒトを刺すこともあるため、注意が必要です。

犬に寄生すると、フケやかゆみ、脱毛などの症状が現れます。特に、子犬が発症すると症状が重くなる傾向にあるため、素早い対処が不可欠です。

治療では、イヌツメダニを駆除するための投薬が行われます。被毛に産みつけられた卵も駆除するため、数回にわたって投薬をする必要があります。

2:アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎は、アレルゲンに免疫が過剰に反応して生じる皮膚炎です。アレルゲンになりうる物質には、特定の食べ物や花粉、ハウスダスト、カビ、ノミなど、さまざまな種類があります。

アレルギー性皮膚炎を発症すると、皮膚にかゆみやフケが生じます。かゆみによって皮膚をかきむしってしまうと、さらにフケが増えてしまいます。

アレルギー性皮膚炎を抑えるためには、まずはアレルゲンが体内に侵入しないよう、注意することが必要です。アレルゲンを特定し、犬に近づけないようにしてください。

症状が見られる場合は、動物病院を受診し、かゆみ止めの薬や専用のシャンプーを処方してもらいましょう。

3:アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、アレルギー性皮膚炎の1つです。花粉やカビ、ハウスダストなど、環境中に存在するアレルゲンに過剰に反応して、症状が起こります。

アトピー性皮膚炎の発症には、遺伝が大きく影響しています。日本では、柴犬やフレンチブルドッグ、ウェスト・ハイランド・ホワイトテリア、シーズーなどが発症する可能性が高いとされており、完治は難しいです。

比較的小さいころから発症し、アレルギー性皮膚炎と同じような症状が現れます。強いかゆみやフケのほか、脱毛や色素沈着などの症状が見られることもあります。

アトピー性皮膚炎を持つ犬は、生まれつき皮膚を守る機能が弱いため、刺激や乾燥の影響で皮膚が炎症を起こしやすい点に注意が必要です。

4:脂漏症

脂漏症は、皮脂腺の分泌が過剰になったり、皮膚のターンオーバーが異常に活発化したりする病気です。

脂漏症には、遺伝が原因で起こる「原発性脂漏症」と、アレルギーや栄養不足などの原因から後天的に発症する「続発性脂漏症」があります。

さらに、脂漏の状態によって、「乾性脂漏」と「湿性脂漏」に分けられるのが特徴です。乾性脂漏では、皮膚が乾燥するため、フケが発生します。乾いたフケが大量に発生する場合は、乾性脂漏を疑いましょう。一方、湿性脂漏の場合は、皮脂が異常に分泌されることで、皮膚のベタつきや臭いなどの症状が現れます。特に、湿性脂漏を発症すると、二次感染でマラセチアというカビによる皮膚炎を発症しやすいため、注意が必要です。

5:甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下して、皮膚の乾燥やフケ、体温や心拍の低下といった症状を引き起こす病気です。皮膚症状としては、フケのほか、脱毛や色素沈着などが見られます。

甲状腺機能低下症の原因としては、遺伝的な甲状腺の機能不全や、免疫機能の異常により自身の免疫システムを破壊してしまう「免疫介在性」が挙げられます。副腎皮質機能亢進症や腫瘍など、ほかの病気が原因で甲状腺機能低下症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。

治療では、甲状腺ホルモン薬を投与します。完治が難しく、生涯にわたって甲状腺ホルモンが不足し続けるため、継続的な投薬治療が欠かせません。

6:脱水・栄養失調

そのほか、脱水や栄養失調を引き起こしていると、皮膚の水分や栄養が不足して、フケが生じることがあります。

皮膚の健康を保つためには、特にタンパク質の摂取が重要です。ほかにも、ビタミンや亜鉛、脂肪酸なども欠かせない栄養素です。これらの栄養をバランスよくとれる総合栄養食を与え、健康管理に注意しましょう。¥

愛犬のもしもに備えて保険に加入しましょう

見上げる犬、ブランケット


愛犬に病気や怪我などのもしもの事態が発生した際は、すぐに治療をすることが大切です。しかし、高額な医療費がかかり、適切な対応が難しい場合もあります。ペットには公的な保険制度がないため、医療費は全額飼い主の自己負担になってしまうのです。

そこでおすすめなのが、ペット保険です。ペット保険に加入することで、高額な医療費がかかる事態が発生しても、安心して対応できます。

ペット保険にはさまざまな種類・プランがあるため、費用やプラン内容をよく確認し、自身にあったものを選びましょう。

犬のフケの予防・対処方法

柴犬、ブラッシング


最後に、犬のフケを予防するための方法を4つ紹介します。

  • 犬にあったシャンプーでお手入れをする
  • 適度にブラッシングをする
  • 部屋の湿度を管理する
  • 栄養バランスに配慮する

犬にあったシャンプーでお手入れをする

皮膚を健康に保つためには、適度なシャンプーが重要です。その際は、犬用のシャンプーを使いましょう。犬の皮膚は人間と違い弱アルカリ性であるため、人間用のシャンプーは適していません。

犬用のシャンプーの中にも、保湿力が高いものや、抗菌作用があるものなど、さまざまな種類があります。愛犬の肌質や皮膚のお悩みにあったシャンプーを選ぶことが大切です。病院からシャンプーを処方されている場合や、シャンプーについて指示がある場合は、獣医師の指示に従いましょう。

シャンプーの頻度は、1ヶ月に1回が目安です。シャンプーをしすぎると、皮膚が乾燥してしまうため注意してください。

シャンプーの際は、37度前後の低めのお湯で洗い、皮膚を傷つけないよう優しく洗いましょう。すすぎ残しがないよう丁寧に洗い、タオルドライやドライヤーでよく乾かしてください。シャンプーの後に、保湿剤を塗ることで、乾燥やフケをさらに防止できます。

適度にブラッシングをする

2〜3日に1回ほど、ブラッシングをすることも効果的です。犬用のブラシには多くの種類があります。短毛種の場合は、皮膚を傷つけない獣毛ブラシやピンブラシ、長毛種の場合は、抜け毛を効率的に取り除けるスリッカーがおすすめです。毛並みに沿って、優しくブラッシングをしてあげましょう。

部屋の湿度を管理する

部屋が乾燥していると、皮膚が乾燥してフケの原因になります。一方、湿度が高すぎても、菌やカビが繁殖しやすくなり皮膚炎のリスクが高まります。

個体差はありますが、犬にとってベストな湿度の目安は40~60%前後です。エアコンや除湿器、加湿器などを用いて、適切な湿度に保ちましょう。

栄養バランスに配慮する

適切な新陳代謝を促し、免疫力を向上させるためには、栄養バランスへの配慮も欠かせません。皮膚や被毛を作るタンパク質や、皮膚を守るための必須脂肪酸、新陳代謝を促すビタミンやミネラルなど、さまざまな栄養をバランスよく摂取できるよう、食事を見直しましょう。

まとめ

犬、シャンプー


犬にフケが発生することは自然なことですが、皮膚が乾燥したり、誤ったスキンケアや栄養不足が続いたりすると、フケの量が増えてしまいます。皮膚炎や脂漏症、肝機能障害などの病気を発症している可能性もあるため、異変に気づいたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

フケを防ぐためには、適切なシャンプーやブラッシング、湿度管理、栄養バランスへの配慮などが必要です。愛犬の健康な皮膚を守るためにも、飼い主にできる対策を徹底しましょう。

アルファ動物病院院長鍋島先生

監修獣医師

鍋島淳 (アルファ動物病院院長)

東京大学卒業後、同大学付属動物病院にて研修。
1979年東京都葛飾区に動物病院を開院、院長に。現在に至る。
東京都獣医師会所属。

<アルファ動物病院>