犬と猫のペット保険|いぬとねこの保険

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犬の歯石取りをするには?治療費用や予防法など、お手入れのポイントを解説

犬を飼う際に重要なのは、口腔ケアです。口腔ケアを怠ると、歯垢が歯石に変わり、歯磨きでは落とせなくなってしまいます。犬は歯石がつきやすく、歯石を放置すると歯周病の原因になってしまうため注意が必要です。

今回は、犬の歯石取りの重要性や動物病院での治療内容、治療費用や自宅でできる予防法などを解説します。愛犬の健康を保てるよう、ぜひ参考にしてください。

犬、歯

犬の歯石とは

チワワ、ドッグフード


犬の歯石とは、歯垢が固まったものです。

そもそも歯垢は、食べ物の汚れと、口の中の細菌が混ざることで発生し、歯に付着します。表面に付着することが多く、歯磨きで簡単に除去できるのが特徴です。

しかし、歯垢を放置すると、唾液に含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラルが沈着することで、歯垢が石灰化し、石のように硬くなってしまいます。これが歯石で、歯の隙間や歯と歯茎の間に溜まることが多いです。歯磨きで除去するのが難しく、歯石の量によっては全身麻酔で除去しなければならないケースもあります。

犬に歯石がつく原因は?

犬、ご飯


犬に歯石がつく原因は、歯垢の放置です。歯石がつかないようにするためには、歯磨きで歯石を除去する必要があります。

犬は歯石が付きやすいので注意

犬は、人間よりも歯石がつきやすいため注意が必要です。

歯垢は、食事から6〜8時間ほどした後に、歯の表面に付着します。人間の場合、歯垢が歯石になるまでは20日間ほどかかりますが、犬はわずか2〜3日で石灰化してしまいます。その理由として、人間の口腔内は酸性である一方、犬の口腔内がアルカリ性であるため、とされています。

このように、犬は歯石がつきやすいのが特徴です。犬の歯石を防ぐためには、毎日の口腔ケアが欠かせません。歯垢が歯石になる前に、歯磨きで除去しましょう。

犬の歯石がたまるとどうなる?

犬、歯ブラシ


歯石の表面はざらざらしており、歯石がたまるとさらに歯垢がつきやすくなります。歯垢は口腔内の細菌と食べ物の汚れからできており、歯垢がつくということは細菌が口の中にたまるということです。この細菌が原因で、歯周病を引き起こします。

犬の歯石による歯周病のリスク

歯周病は、歯肉炎と歯周炎の相性です。歯肉炎は、歯と歯茎の間に歯垢がたまり、細菌によって歯茎が炎症を起こすことです。歯肉炎が進行すると、歯と歯茎の間の溝で歯周ポケットが形成されます。歯周ポケットがどんどん深くなると、歯を支える歯槽骨が破壊されます。歯周組織が炎症を起こした状態が、歯周炎です。

歯周病になると、以下のような症状が現れます。

  • 口臭
  • 歯茎の腫れ
  • 歯茎の痛み・出血

歯周病が進行すると、症状は身体中に広がります。顎の骨が破壊されることで、マズル全体の腫れや痛み、鼻血が見られます。さらに、血液を介して身体中に細菌が広がり、感染性心内膜炎や腎炎・肝炎、変形性骨関節炎や骨髄炎などを引き起こすのです。最悪の場合、死に至ることもあります。

このように、歯周病は口腔まわりだけでなく、ほかの臓器にも影響を及ぼす恐ろしい病気です。

なお、初期の歯肉炎なら完治できますが、歯周炎まで進行すると、完治は難しくなります。まずは、毎日のケアで歯垢を除去したり、歯石に気づいたらすぐに動物病院で除去したりして、歯周病の発生を予防することが欠かせません。

歯石がついていた場合の、病院での検査方法

犬、歯科検診


愛犬の歯に歯石がついているのを確認したら、動物病院を受診しましょう。歯石の除去は自宅では難しいです。獣医に相談すると、問診や視診、歯科検査の結果に応じて、適切な治療法を提示してくれます。

ここでは、歯石がついていた場合の、病院での検査方法や検査の流れを解説します。

①問診

問診では、口腔の状態やそのほかの症状の有無が確認されます。口臭の程度やよだれの量、目ヤニや鼻水の量のほか、出血の有無や飲食を嫌がる様子が見られないか、などをチェックします。日頃のお手入れの有無や、食事の内容などが聞かれることも多いため、スムーズに答えられるようまとめておくとよいでしょう。

②視診

次に、口腔の状態を目で見てチェックする視診が行われます。歯並びや噛み合わせに異常がないか、出血や腫れ、膿、歯肉の退縮、潰瘍の有無などを確認します。キットを用いて、細菌がどの程度増殖しているかを検査することもあります。

③歯科検査

歯科検査では、専門の器具を用いて、口腔の状態を詳しくチェックします。プローブという細い金属の棒を用いて歯周ポケットの深さを測ったり、歯垢・歯石の量、炎症の程度などをグレードで評価したりします。歯垢・歯石の量や、歯周病の程度がわかったら、それに応じた治療内容を提示します。

なお、人間の歯石治療ではレントゲン撮影が行われることが多いです。レントゲンを撮影することで、目では確認しにくい歯茎の下の感染をチェックできるためです。しかし、犬は全身麻酔をかけないとレントゲンを撮影できないケースが多いため、歯周病の様子をより正確に把握できるのは、本格的な治療が始まってからになる可能性もあります。

犬の歯石を取るタイミング

チワワ、歯磨き


歯石になる前の歯垢の段階であれば、自宅での歯磨きで除去できます。しかし、歯石に変化した場合は、動物病院で歯石取りを行わなければなりません。

犬の歯石は、歯石が見つかった段階、あるいは歯肉炎が認められた段階で除去することが大切です。歯周炎になると、歯石を取るだけでなく、歯周ポケットをケアしたり、炎症を起こしている歯を抜いたりする治療も必要になります。歯肉炎を発症する前、あるいは歯肉炎が歯周炎になる前に、歯石を除去して適切な処置を行うことが求められます。

犬の歯石取りは飼い主にもできるの?

犬、歯の治療


犬の歯石取りを、飼い主が自宅で行うことはできないと理解しておきましょう。

歯石取りは、痛みを伴います。歯茎を傷つけてしまう危険性があるため、獣医に任せるのが安心です。また、歯石を効率よく取るために使われる超音波スケーラーは、音や振動が発生するため、犬が怖がりやすいのも難点です。無理に歯石取りをしようとすると、犬がお手入れを怖がり、その後歯磨きすらできなくなってしまう可能性も高いです。

また、多くの歯石がついている場合は、全身麻酔をかけて処置しなければなりません。

このように、歯石取りは難易度が高く、専門的な処置が必要になることも多いため、動物病院で行いましょう。

歯石が付いた時の、病院での処置・対処方法

柴犬、口を開ける


動物病院で歯石取りを行う際の処置としては、大きく以下の2つが考えられます。

  • 麻酔をかけず、局所的な歯石を除去する
  • 全身麻酔をかけて、歯石をすべて除去したのち、歯の磨き上げを行う

歯石が一部にしかついていない場合は、麻酔をかけることなく処置できることがあります。一方、全体についた歯石を除去する場合は、全身麻酔が必要です。レントゲン撮影を行って歯茎の下の状態まで確認したのち、歯石を隅々まで除去し、歯の表面を磨き上げます。

全身麻酔というと、危険なイメージを持つ飼い主も多いでしょう。犬にかかる負担を気にして、麻酔をかけない処置を望む方もいらっしゃいます。しかし、麻酔をかけないと局所的にしか歯石を除去できません。歯周ポケットに溜まった歯垢や歯石を除去することができないため、歯周病の進行を食い止められない可能性もあります。シニア期になると、全身麻酔をかけて処置するのが難しくなるため、元気な成犬のときから適切に処置してあげることが大切です。

麻酔に不安がある場合は、かかりつけの獣医師に相談するか、麻酔専門医がいる動物病院を受診しましょう。

犬の歯石取りにかかる費用

全身麻酔で歯石取りを行う場合、トータルで3〜7万円ほどの費用がかかります。全身麻酔をするための血液検査や超音波スケーラーを用いた歯石取り、歯周ポケットの洗浄、歯の表面のポリッシングなどにかかる費用が含まれます。

歯石取りにかかる費用がペット保険の補償対象となるかどうかは、保険会社やプランによって異なります。歯周病の治療として歯石取りを行う場合は補償の対象となることもありますが、歯周病の予防が目的の場合は、保険の対象外となるケースが多いです。基本的に、病気の予防を目的とした歯科治療については、保険対象外となると理解しておきましょう。

自宅でできる犬の歯石対策・予防方法

犬、鹿の角


歯石は動物病院で処置することが大切ですが、全身麻酔にはリスクもあります。愛犬にかかる負担をなるべく減らすためには、そもそも歯石が発生しないよう、日々の口腔ケアが重要です。

口腔ケアは、動物やトリミングサロンでも依頼できますが、月に1〜2回程度の歯磨きでは、歯石の発生は防げません。

そこで重要なのが、自宅で行う歯石対策です。動物用の歯ブラシやペーストを用いた歯磨きはもちろん重要ですが、歯磨きを嫌がり、なかなか上手にお手入れできないことも多いでしょう。

ここでは、自宅でできる歯石対策・予防方法を解説します。

デンタルガムを使用する

デンタルガムは、歯垢除去や口臭の軽減につながる犬用のおやつです。ガムを噛んでいる最中に歯の表面がこすれ、歯垢を除去できる仕組みです。クロロフィルやプロポリスなど、口臭の抑制に効果があるとされる成分が入っているものもあります。ガムを噛むことで唾液が発生するのもポイントです。

デンタルガムを選ぶ際は、口の中を傷つけないよう、サイズに注意しましょう。また、ガムを丸呑みすると意味がなくなってしまうため、しっかりと噛ませることが大切です。

ただし、デンタルガムはあくまでもデンタルケアを補助するものです。デンタルガムを与えたから歯磨きをしなくてよい、というわけではありません。

ドライフードにする

ウェットフードを与えている場合は、歯垢を防ぐためにドライフードに切り替えるのもおすすめです。ウェットフードはとろみがあるため歯につきやすく、歯垢になりやすいという難点があります。歯垢や歯石の発生を防ぐためには、歯につきにくいドライフードを選びましょう。

愛犬の「もしも」に備えてペット保険の検討を

犬、寝顔


愛犬のもしもの事態に備えるためには、ペット保険に加入しておくと安心です。不慮の事故や病気により、高額な医療費がかかる治療や入院が必要になる可能性もあります。ペットには人間のような公的保険制度がないため、医療費は全額飼い主の自己負担です。

ペット保険に加入していれば、高額な医療費が必要なもしもの事態にも、適切に対応できます。

まとめ

犬、歯ブラシ、咥える


歯周病を防ぐためには、日頃の口腔ケアが欠かせません。犬は、人間よりも歯垢が歯石に変わるペースが早いため、特に注意が必要です。日頃から歯磨きを徹底して、歯垢を取り除けるようにしてください。歯石が見つかった場合は、動物病院で処置してもらいましょう。

歯磨きだけでは不安な場合は、デンタルガムを活用したり、歯につきにくいドライフードに変えたりと、飼い主にできることはたくさんあります。愛犬の健康を保つのは、飼い主の責任です。愛犬と長く一緒に過ごすために、口腔ケアを見直してみませんか。