アメリカン・カールの保険 | 性格や寿命、飼い方などを解説！

アメリカン・カールの主な特徴

猫の純血種の中では新しい猫種であるアメリカン・カールは、まだまだ他の猫より歴史が浅いものの、個性的な耳の形と天真爛漫な性格で多くの愛猫家を魅了しています。以下ではアメリカン・カールの健康リスクや体格、耳の形や毛色の種類について解説します。

健康リスク

アメリカン・カールは個性的な折れ耳を持っていますが、元々自然繁殖の中で生まれた猫種です。垂れ耳であるスコティッシュフォールドは奇形の遺伝子を持ち合わせていることから、体が弱い個体が多いことで知られています。それに対してアメリカン・カールの折れ耳は、突然変異で起きたものや奇形ではなく優性遺伝子であり、遺伝性疾患も伴っていないことが確認されています。遺伝性疾患を抱えやすい猫種は健康リスクが高いといえますが、アメリカン・カールは多様な遺伝子を持っているので特有の遺伝病が少なく、健康で丈夫な体質を持ち合わせている猫種だといえます。

体格・サイズ

アメリカン・カールは成猫の時点でオスは約3.0〜5.5kg、メスは約2.2〜4.5kgになります。体長は40〜50cm前後になり、猫全体の中では小型の筋肉質なセミフォーリンです。頭部は丸みを帯びたくさび型（Vに近い形で辺が閉じた三角形）で、脚は中くらいの長さをしており、しっぽは体と釣り合って長い傾向にあります。

耳の形

アメリカン・カールの一番の特徴はクルンとカールした折れ耳。この折れ耳は優性遺伝ですが、約50％の確率でカールしない個体（ストレートイヤー）が生まれます。生まれた時はどの子猫も真っ直ぐな状態ですが、生後3〜10日もすると、後ろにカールし始め、生後4ヶ月の頃には折れ耳が確立されます。巻き具合には個体差があり、理想は90〜180度の間で、少しだけ反っている個体から180度以上耳が反っている個体も存在しているそうです。カールは生後16日程度で完成しますが、大きくなるにつれて巻き具合が緩くなることが多く見られます。折れ耳はアメリカン・カールのチャームポイントではありますが、触り過ぎてしまうと耳の軟骨を傷つけてしまう恐れがあるので注意しましょう。

毛色の種類

アメリカン・カールの毛色はバリエーション豊かで、さまざまなカラーが存在しています。代表的なカラーは「ブラウン」「レッド」「シルバー」「ホワイト」「ブラック」です。特にブラウンはあらゆる毛色の中でも最もポピュラーなカラーで、安定した人気を誇っています。

アメリカン・カールの性格は？

アメリカン・カールは明るく活発で、人懐っこい性格をしています。縄張り意識が薄く、人見知りをしないので、子供や他のペットとも仲良く過ごすことができるでしょう。好奇心旺盛で運動することも大好きなので、一緒に遊んであげたり、スキンシップをたくさんとってあげると喜びます。アメリカン・カールは甘えん坊で寂しがりやな一面も持ち合わせています。飼い主や家族につきまとうことがあったり、その愛情表現の豊さから「まるで犬のようだ」といわれることもあるそうです。

アメリカン・カールの誕生と歴史

アメリカン・カールは、1981年に南カリフォルニアで、偶然発見された迷い猫から派生した比較的新しい猫種です。レイクウッドという街に住んでいたルーガ夫妻が、自宅玄関前で見つけた美しい長毛の黒猫は、外側にカールした形の耳を持っていました。その猫は「シュラミス」と名付けられ、夫妻の元に迎え入れられます。その半年後にシュラミスは４匹の子猫を出産し、4匹中の2匹が後ろ向きにカールした耳だったことから、折れ耳が優性遺伝であることが発覚します。シュラミスはカリフォルニアで開催されたキャットショーで大きな反響を呼びました。

そして、1983年には猫愛好家や繁殖家によって本格的な繁殖計画が始まり、専門家による遺伝的欠陥の有無や先天性疾患の発症率など、シュラミスが持っている優性遺伝に危険が伴わないかが研究されるようになります。猫の遺伝について研究していたイギリスの学者ロイ・ロビンソンは、81頭の母猫から生まれた合計383匹の子猫を調査・分析しました。 その結果、シュラミスを始めとした特徴的な耳のカールは突然変異で起きたものであり、奇形ではなく、優性遺伝子であることが確認されました。また、ロビンソンは1989年の発表で、カールした耳の特徴は遺伝子疾患を伴わないものと発表しました。

個性的な耳の形の猫種として、スコティッシュフォールドも挙げられますが、アメリカン・カールとスコテッシュフォールドの遺伝の経緯には大きな違いがあり、アメリカン・カールの方がより頑健な猫種であると考えられています。

アメリカン・カールは1983年の本格的な繁殖が始まってからわずか2年後の1985年にはTICA（血統登録機関）に公認され、1993年にはCFA（猫登録協会）に公認されたことで、純血統として世界中に認められました。発見から認知されるまでの年数が約12年というのは、純血種の中でも非常に早い出世といえます。

アメリカン・カールはまだまだ歴史が浅い猫種です。遺伝子の多様性をはかり、より一層健全な品種とするために、現在もさまざまな猫種との交配が勧められています。したがって、ストレートイヤーの個体が存在するように、今後は容姿も含めて変わっていく可能性があります。

アメリカン・カールの飼い方とポイント

運動について

アメリカン・カールは太りやすい猫種なので、運動の習慣をつけることが大切です。好奇心旺盛で遊ぶことが大好きなので、猫じゃらしやボールなどのおもちゃを使って遊んであげましょう。激しいハンティング系の遊びよりも、一緒に遊んであげる方が喜びます。また、一般的な猫と同じように高いところが大好きなので、上下運動ができるキャットタワーを設置するのもおすすめです。

飼育環境について

アメリカン・カールは筋肉質で活発なので、十分に運動できる飼育スペースを用意しましょう。室内にそこまでのスペースがない場合は、キャットタワーやタンス等の家具で高低差をつけるなど、行動できる範囲を広げてあげるのが好ましいです。また、アメリカン・カールは人懐っこく、縄張り意識も薄いので、他の猫種やペットとの多頭飼いにも向いています。

被毛のお手入れ方法について

アメリカン・カールには短毛種と長毛種が存在し、どちらともシルクのような滑らかな手触りの被毛に覆われています。ひとつの品種で短毛種と長毛種の２種類が認められたのは、この猫種が初めてとされています。どちらともアンダーコートが少なく、もつれにくい毛質をしているので、比較的ブラッシングは楽な猫種だといえるでしょう。しかし、換毛期の際などは特に抜け毛が多くなるので、毛球症の予防のためには毎日のブラッシングが欠かせません。

短毛種の場合は、1日1回のブラッシングを行い、獣毛ブラシやラバーブラシを使って優しくブラッシングをしてあげてください。換毛期を迎えると、量は少ないものの抜け毛が起こります。普段より念入りにケアしてあげてください。

長毛種の場合は、毛質が滑らかでアンダーコートも少ないため、長毛の猫種の中では比較的お手入れがしやすいといわれています。しかし、抜け毛は発生するので、朝晩一回ずつのブラッシングとコーミングをするようにしましょう。換毛期の際にはシャンプーをしてあげるのも良いでしょう。部屋に舞ってしまった抜け毛は掃除機をかけたり、ガムテープやコロコロクリーナーなどを使用して、お部屋を清潔に保つことも大切です。

耳のお手入れ方法について

基本的に、健康な猫にとって耳掃除は不要ですが、アメリカン・カールは耳の軟骨が硬く、その構造上から通気性が悪い状態になっています。そのため耳垢が取れにくいので、こまめに耳掃除をしてあげるようにしましょう。

耳掃除に必要な物

アメリカン・カールの耳掃除には「ウェットティッシュ」「耳洗浄液」「綿棒」が必要です。ウェットティッシュや耳洗浄液は、ペットショップや動物病院で購入することができます。ペット専用のウェットティッシュがない場合は、ノンアルコールタイプのものを選びましょう。綿棒は、人間が使用する物で構いませんが、アメリカン・カールの耳の中は細かいヒダで覆われているため、ヒダの間も掃除しやすいように子供用の細い綿棒を使うのがおすすめです。

耳掃除の手順

■ウェットティッシュで拭き取る
週に1回はウェットティッシュで耳の表面を拭きましょう。慣れない間はウェットティッシュで、出てきている耳垢を拭き取るだけでも十分に効果はあります。少しずつお手入れに慣れてきたら次のステップに進みましょう。

■耳洗浄液を耳に垂らす
アメリカン・カールの耳に耳洗浄液を直接垂らし、耳の付け根を数回揉んで、耳の奥まで洗浄液が入るようにします。アメリカン・カールが自分で首を振って、耳洗浄液と一緒に耳垢を飛ばすか、飼い主さんが綿棒で耳洗浄液を吸い取ってあげるようにしましょう。

■耳洗浄液に綿棒を含ませて拭く
耳洗浄液を染み込ませた綿棒を、アメリカン・カールの耳に入れて、そっと動かしてください。力を入れなくても大丈夫なので、優しく綿棒を動かすようにしましょう。最初は抵抗するかもしれませんが、徐々に慣らしていきましょう。

耳掃除は「優しく、そっと」がポイントです。力を入れてしまうとアメリカン・カールの耳が傷ついてしまいます。動物病院でも耳掃除をしてくれるので、自分で行うのが不安な場合は相談するのもおすすめです。

アメリカン・カールの平均寿命

アメリカン・カールの平均寿命は約14歳で、猫全体の平均寿命が約14〜15歳なので、少しだけ短い傾向にあります。大切なアメリカン・カールに少しでも長生きしてもらえるようにするためには、日々の健康管理が重要です。ストレスを与えない飼育環境を整え、食事や運動にも気を遣うようにしましょう。

アメリカン・カールのかかりやすい病気

アメリカン・カールは他の猫種と比べると、比較的特定の病気にかかりにくい猫種とされていますが、「進行性網膜萎縮症」には気をつけましょう。これは網膜が変性・萎縮してしまい正常な機能を果たさなくなる疾患で、最終的には失明してしまいます。暗い場所を怖がったり、音に対して敏感になるなどの症状が見られたら、すぐに病院へ連れていきましょう。命に関わる病気ではありませんが、早期発見が重要です。

また、アメリカン・カールの耳の構造上、「外耳炎」にもかかりやすいといわれています。 薬を塗ればすぐによくなるので、耳を痒そうにしていたら病院で薬を処方してもらいましょう。

関節の病気である「骨軟骨異形成症」にも注意してください。
この病気は軟骨や骨に異常が起きる遺伝性疾患で、主に折れ耳のスコティッシュ・フォールドに発現します。アメリカン・カールは遺伝的には劣勢ではないので、スコティッシュ・フォールドほどではありませんが、耳折れは軟骨組織の異常なので、関節に異常が現れる確率は一般の猫よりは高いでしょう。
特徴的な症状は四肢の腫れです。このような症状がみられた場合は、「骨軟骨異形成症」を疑ってください。

愛猫と末長く過ごすためにペット保険も検討しよう

アメリカン・カールは、他の純血種と比べて遺伝性疾患にかかりにくい猫種ではありますが、耳の構造上かかりやすい病気があったり、網膜の疾患など気をつけるべき病気もあります。また、突然の手術が必要になった場合には高額の医療費がかかることもあります。

アメリカン・カールを安心して育てるためには、もしもの時に備えてペット保険に入ることをおすすめします。高額になりがちなペットの診療費に備えることで、万が一の時に十分な治療を受けさせることが可能です。

まとめ

クルンと内側にカールした折れ耳が特徴的なアメリカン・カール。その可愛らしいルックスと無邪気で人懐っこい性格は世界中の人々から愛されています。他の猫種と比べると、特定の病気にかかりにくい猫種ではありますが、気をつけるべき病気はいくつかあります。ペット保険に加入することで、もしもの時に安心して治療ができます。ペット保険にはさまざまなプランがあり、どれも補償内容が異なるので、アメリカン・カールがかかりやすい病気を理解し、必要性に応じたペット保険を選べるようにしましょう。