マルチーズの保険 | 性格・寿命・飼い方のコツなどを解説

マルチーズの歴史

マルチーズは、世界で古くから愛玩犬として飼われてきた犬種です。英語では「Maltese」と表記します。

その歴史は紀元前1500年頃にまで遡ります。マルチーズの名前はイタリアのマルタ島に由来し、貿易商人がマルタ島に連れてきた犬が起源と言われています。当時、フェニキア人のコンパニオンドッグとして船に乗せられていたともされている、非常に長い歴史を持つ犬種です。当時の犬は使役犬として活躍していましたが、マルチーズは初めから愛玩犬として飼育されていました。貿易船とともに各地に広がり、行く先々で愛されてきた歴史を持ちます。

また、イソップ物語にも登場しており、病人を癒す力を持つ犬として、病人の枕元に置かれていたと言われています。その後、世界中の貴族に愛され、現在でも愛玩犬として高い人気を誇っているのです。

日本には1960年頃に伝わりました。日本でも愛玩犬として人気が高まり、一般社団法人ジャパンケンネルクラブ（JKC）の調査では、1968年から15年間、登録数が1位だったという記録もあります。現在でも、愛玩犬として多くの家庭で育てられている人気の犬種です。

最近では、マルチーズとほかの犬種とのミックス犬も注目を集めています。トイプードルとのミックスである「マルプー」や、チワワとのミックスである「チワマル」、ポメラニアンとのミックスである「ポメマル」などです。犬種としては登録されませんが、2つの犬種の良さをどちらも併せ持った特有の可愛さで、高い人気を誇っています。

マルチーズの性格

マルチーズは、甘えん坊で大人しく、飼い主に従順な性格です。飼い主のそばを離れない甘えっぷりは、多くの人を魅了します。賢く、しつけも比較的すぐに覚えるため、飼いやすい犬種です。飼い主に褒めてもらうことを喜ぶため、褒めながらしつけてあげると効果的です。また、活発で好奇心旺盛な一面もあります。適度な運動や散歩で、体を動かす機会を積極的に設けてあげましょう。

一方、見知らぬ人にはあまり懐かなかったり、自分より体の大きい犬にも勇敢に立ち向かったりする意外な一面もあります。

甘やかしすぎには要注意

マルチーズの可愛らしさからつい甘やかしてしまいがちですが、甘やかしすぎには注意が必要です。マルチーズを甘やかしすぎると、子どもに噛みつこうとしたり、来客に向かって強く吠えたりと、気が強い子に育ってしまいます。

また、常に一緒にいすぎると、飼い主がいないという状況に過度な不安を覚えるようになってしまう場合もあるため注意しましょう。留守番中にパニックになったり、物を破壊したりといった問題行動を起こすようになり、留守番ができなくなります。時には1人でおもちゃ遊びをさせたり、ケージの中で静かに過ごさせたりすることが大切です。

マルチーズのサイズ・理想体重

マルチーズは、超小型犬に分類される非常に小さい犬種です。体重や体高の目安は以下のとおりです。

・体重：約2〜3kg
・体高：約20〜25cm


理想体重はオス・メスともに2.5kg程度とされています。

マルチーズの見た目の特徴

マルチーズの見た目の大きな特徴は、白く柔らかな被毛です。シルキーコートと呼ばれるほど、美しい被毛を持ちます。

直毛で、伸ばし続けると床まで真っ直ぐ下に生えます。換毛期がなく、抜け毛が比較的少ない犬種です。オーバーコート1層のみのシングルコートであるため、暑さや寒さへの耐性は高くありません。被毛の色は純白が多いですが、中にはタンと呼ばれる黄褐色や、所々レモン色の被毛を持つマルチーズもいます。

また、つぶらな瞳と短めの肢が魅力的です。体高よりも体長が長い、華奢で可愛らしい体型ですが、軽快な動きを見せます。

鼻は目と同様に真っ黒ですが、冬場に茶色やピンクに変色することがあります。これは「ウィンターノーズ」という減少で、病気ではありません。日光に当たる時間が減少することで起こり、暖かくなるとまた黒に戻っていきます。

マルチーズの普段のケアの注意点

マルチーズを飼う際は、普段のケアが重要です。マルチーズは目や耳の病気になりやすいため、特に注意しましょう。また、長い被毛を清潔に保つためには、ブラッシングやトリミングが欠かせません。食事にも気を配りましょう。

目のケア

マルチーズのように白い犬は、遺伝的に目の病気にかかりやすいと言われています。そのため、マルチーズを飼う際は目のケアが重要です。逆さ睫毛や二重睫毛、眼瞼内反症などの病気に注意しましょう。

また、涙に含まれるリン酸塩やタンパク質が空気と反応し、酸化して変色する「涙やけ」にも注意が必要です。涙やけが起こると、目の周りの被毛が変色してしまいます。こまめにウェットティッシュで涙を拭き取ったり、被毛が目にかからないようにしたりしましょう。

耳のケア

マルチーズは耳が垂れていて、長い被毛に覆われています。耳の通気性が悪いため、細菌・ダニが繁殖しやすいです。放置すると外耳炎になってしまうため、こまめな耳のお手入れを行いましょう。

他の注意点

マルチーズを飼う際は、被毛のお手入れと食事管理が重要です。

マルチーズの被毛は絡まりやすいため、こまめなブラッシングやトリミングを行いましょう。被毛を短めに切る「パピーカット」スタイルにすると、お手入れが楽になります。また、被毛を伸ばす「フルコート」スタイルにしたい場合は、毛を汚さないようにラッピングを行いましょう。

さらに、マルチーズは消化器官が小さいため、食事管理も重要です。栄養が不足すると、低血糖症になる可能性があります。栄養価のあるドッグフードを与えましょう。食欲不振になるとすぐエネルギーが不足してしまうため、異常があればすぐ病院に連れていってください。

マルチーズにおすすめの運動方法

運動量が少ないと、肥満になったりストレスの原因になったりします。そのため、適度な運動が重要です。

室内でおもちゃを使って遊ばせたり、1日30分程度散歩に連れて行ったりすることがおすすめです。室内で遊ばせる場合は、フローリングで転ばないようカーペットを敷いてください。

また、マルチーズの骨はあまり強くなく、膝蓋骨脱臼を引き起こしやすいと言われています。散歩時は、急な坂道や階段を避けるなど、足腰に負担がかからないよう注意しましょう。

マルチーズの寿命

マルチーズの寿命は、約12〜14歳と言われています。犬は小型の方が寿命が長くなる傾向にあり、超小型犬のマルチーズは寿命が比較的長い犬種と言えます。マルチーズを長く大切に育てるためには、マルチーズがなりやすい病気・ケガについて理解し、適切な対応を取れるようにしましょう。

マルチーズがなりやすい病気・ケガ

ここでは、マルチーズがなりやすい以下の病気について解説します。

・流涙症
・眼瞼内反症
・外耳炎
・心臓病（僧帽弁閉鎖不全症）
・乳腺腫瘍

流涙症

流涙症は、目に涙が多く溜まり、目から流れ出てしまう病気です。アレルギーや逆さ睫毛、眼瞼内反症などが理由で涙が過剰に分泌されたり、鼻涙管閉塞で涙の排出が妨げられたりすることで発症します。被毛が白いマルチーズに多く見られる涙やけも、流涙症によるものです。目の周りが常に濡れている、涙やけが見られる、などの異常が見られたら、早めに病院に連れて行きましょう。

眼瞼内反症

眼瞼内反症とは、瞼が内側に捲れ、角膜や結膜の炎症につながる病気のことです。主な症状として、目の痒みやまぶたの痙攣、目やにや涙の増加などがあります。進行すると、結膜炎角膜炎の症状が現れます。

外耳炎

外耳炎は、耳ダニの感染や傷などによって起こる外耳の炎症です。マルチーズは耳が垂れており、長い被毛に覆われているため、外耳炎を発症しやすいと言われています。

心臓病（僧帽弁閉鎖不全症）

マルチーズは、僧帽弁閉鎖不全症や動脈管開存症といった心臓病にかかりやすいと言われています。犬の心臓病の多くは、僧帽弁閉鎖不全症です。心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がうまく機能しなくなり、血液が逆流してしまいます。

初期はあまり症状が見られませんが、進行すると咳や呼吸困難などの症状が見られます。定期的に聴診をしてもらい、異変を感じたらすぐに受診しましょう。

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は、乳腺の組織の一部が腫瘍化してしまう病気です。しこりが小さいうちは良性の場合が多く、手術で完治できます。しかし、悪性の場合は腫瘍が成長するスピードが速く、リンパ節や肺に転移する可能性もあるため注意が必要です。

マルチーズの病気に備えて"ペット保険"を検討しませんか？

マルチーズは、遺伝性疾患も特になく、こまめなケアや体調管理を徹底すれば比較的長生きしやすい犬種です。しかし、上記のような病気にかかる可能性があります。また、好奇心旺盛な子犬の時期にケガをしてしまう場合もあります。病気やケガによっては、長期にわたる治療や手術が必要になる場合もあるのです。

マルチーズを安心して育てるためには、もしもの時に備えて、ペット保険に入ることがおすすめです。高額になりがちなペットの診療費に備えることで、いざという時に十分な治療を受けさせることができます。

まとめ

今回は、マルチーズについて、特徴や飼い方のコツ、寿命・かかりやすい病気などを解説しました。美しい白の被毛と愛らしい性格の持ち主であるマルチーズは、古くから愛玩犬として可愛がられてきた人気の犬種です。比較的飼いやすい犬種でもあります。

マルチーズを長く大切に育てるためには、マルチーズがかかりやすい病気やケガを理解しましょう。ペット保険に加入することで、万が一の事態でも安心して対応できます。ペット保険にはさまざまなプランがあるため、予算やニーズに合った補償内容を検討してみてください。