チベタン・マスティフとはどんな魅力がある犬？外見や性格の特徴、飼い方のポイント

チベタン・マスティフとはどんな犬？

チベタン・マスティフは、チベットを中心とするヒマラヤ山脈で、遊牧民と共に暮らしてきた犬です。チベタン・マスティフの歴史は古く、紀元前の書物にもその存在が記されています。ヒマラヤでは牧羊犬や僧院の護衛犬として活躍してきました。そのような役割だったため、当初はペット向きではない犬種でしたが、イギリスでの品種改良を経て、ペットとしての今日のチベタン・マスティフが存在しています。高貴な犬としても知られており、過去には2億円以上の価値がついたこともあります。

チベタン・マスティフの外見の特徴

ここからは、チベタン・マスティフの外見の特徴について詳しく解説していきます。

チベタン・マスティフの大きさ（体高・体重）

チベタン・マスティフの大きさは、平均的な個体で体重は40〜83kg、体高は61〜76cmとなっています。メスよりもオスの方が大きく、通常より大きい個体の体重は100kgを超えることも少なくありません。筋肉量も多く、骨太でがっしりとした体型をしています。日本で家庭犬として飼うには少し大きすぎるかもしれませんね。

チベタン・マスティフの毛色・被毛

チベタン・マスティフの毛色はブラック・ブラウン・グレー・レッド・ブラック＆タンなどさまざまです。被毛は2種類に分かれているダブルコートになっています。チベタン・マスティフは首周りの毛に特徴があり、「獅子型」と「虎型」の2つのタイプに分類されています。首周りがライオンのたてがみのようになっているのが「獅子型」で、それよりボリュームが少なく、毛が短い方が「虎型」です。

チベタン・マスティフの仲間の犬種

続いて、チベタン・マスティフの仲間の犬種を5品種紹介します。

◾️ナポリタン・マスティフ
ナポリタン・マスティフは、イタリア原産の闘犬用の犬種です。頭部の皮膚が特に大きく垂れ下がっているのが特徴で、見た目に反して温厚で優しい性格をしています。闘犬が禁止されてからは、番犬や警察犬としても活躍しています。

◾️イングリッシュ・マスティフ
イングリッシュ・マスティフは、イギリス原産の警備用犬種です。最も有名なマスティフ種であることから、単にマスティフと呼ばれることもあります。物静かでおおらかな性格をしています。番犬や警備犬として現在も活躍しています。

◾️ボルドー・マスティフ
ボルドー・マスティフは、フランス原産の犬種の中で最も古い歴史を持つとされています。
シワのある特徴的な顔と赤い毛色が印象的な、穏やかで物静かな犬種です。トムハンクスが主演を務めた映画「ターナー＆フーチ 素敵な相棒」に出演していた犬種としても有名ですね。

◾️スパニッシュ・マスティフ
スパニッシュ・マスティフは、スペイン原産の家畜護衛犬です。スペイン国内でも飼育数が少ない希少犬ではあるものの、スペインの国犬として指定されています。

◾️ブル・マスティフ
ブル・マスティフは、ブルドッグとマスティフを掛け合わせて誕生した大型犬です。警備犬として活躍する一方、家庭犬としても人気があります。

チベタン・マスティフはどんな性格？

チベタン・マスティフは、温厚で優しい性格をしています。愛情豊かで、自分の群れや家族を大切にします。飼い主への忠誠心が溢れているので、良きパートナーとなってくれるでしょう。また、チベタン・マスティフはとても賢いので、物事をすぐに覚えることができます。しかし、その分独立心も強いので、しつけやトレーニングで立場をはっきりさせることが重要です。
チベタン・マスティフは警戒心が強く、物怖じしないことから、番犬としても活躍できます。ただし、知らない人に対して必要以上に攻撃的になることもあるので、「飼いにくい」と感じる人もいるようです。

チベタン・マスティフのしつけ方のポイント

チベタン・マスティフは、イギリスで品種改良されたため、服従心のある個体が多いとされていますが、一緒に暮らすためには十分なしつけが必要です。元々持ち合わせている、凶暴さや闘争心をしっかりとコントロールするため、子犬のうちからしっかりとしたトレーニングを行うようにしてください。チベタン・マスティフは、他の犬種に比べて成長がゆっくりで、子犬の期間が長い特徴があります。この期間に根気よくしつけを行いましょう。

チベタン・マスティフに必要な運動量は？

チベタン・マスティフは、超大型犬なこともあり、かなりの運動量を必要とします。
しかし、持久力はあまりないため、ジャンプや走るといった激しい運動をする必要はありません。朝夕2回、それぞれ最低2時間の運動量を確保してあげましょう。
チベタン・マスティフを飼う際には、日常的に動き回れる広い敷地があるのが好ましいです。

チベタン・マスティフに必要な運動量は？

超大型犬で分厚い皮膚を持つチベタン・マスティフ。実際に飼う際のお手入れ方法について解説していきます。

１：被毛ケア

チベタン・マスティフはダブルコートのしっかりとした被毛を持っているため、毎日のブラッシングは欠かせません。ブラッシングを怠ってしまうと湿気をため込んでしまい、皮膚疾患の原因になります。1日に数回のブラッシングを行うようにしましょう。

２：シャンプー

チベタン・マスティフの皮膚を清潔に保つために、1〜2ヶ月に1回を目安にシャンプーをしてあげましょう。シャンプーの前に、ブラッシングをしてあげると汚れが取れやすくなりますよ。

３：歯磨き

歯のケアをしていない2歳以上の犬の半数以上は歯周病になっていると言われています。
チベタン・マスティフの健康を保つためにも、歯磨きはなるべく毎日行うようにしましょう。歯ブラシがベストですが、嫌がる場合はガーゼやマウススプレーを活用しましょう。

４：爪切り

チベタン・マスティフは超大型犬なので、爪が伸びていると周りを傷つけてしまう恐れがあります。そのため、月1〜2回を目安に爪切りを行ってください。自宅で爪切りができない場合は、トリミングサロンや動物病院に依頼しましょう。

５：耳掃除

耳掃除は、耳が汚れているタイミングで行います。もともと犬の耳には自浄作用があるので、過度な耳掃除はかえって逆効果です。月に1回を目安にお手入れしてあげましょう。

チベタン・マスティフの食事量はどのくらい？

チベタン・マスティフが1日あたりに食べる量は600〜800gです。空腹時には気性が荒くなりがちなので、食事の頻度を1日3〜4回に分けると良いでしょう。
しかし、食事を与え過ぎてしまうと肥満の原因になってしまいます。チベタン・マスティフは関節の病気にかかりやすいので、肥満にならないように体重管理を行うのも重要です。
動物性タンパク質が豊富に含まれた低脂肪のフードを選びましょう。また、軟骨の健康維持に必要な、グルコサミンやコンドロイチンなどを補えるフードを選ぶのがおすすめです。

チベタン・マスティフがごはんを食べない場合

愛犬がごはんを食べない時には、何かしら原因があるので何らかの対処をする必要があります。主な対処法は以下の通りです。

◾️トッピングをしてみる
いつもあげているドッグフードを食べなくなった場合は、ササミなどをトッピングしてみましょう。また、ドッグフード自体を変えてあげる方法もありますよ。

◾️フードの与え方を変える
わがままから、ごはんを食べない時もあります。そんな時はドライヤーで温めて香りを立たせてあげるのも効果的です。匂いによって食欲が呼び起こされ、食いつきがよくなることがあります。また、フードの硬さや食感を変えてみる方法もあります。ぬるま湯でふやかして柔らかくすると、同じフードでも食べるようになることがあります。

◾️動物病院を受診する
食べない原因が病気の可能性もあります。愛犬がぐったりしていたり、元気がない様子の場合は、早めに動物病院でみてもらうと安心です。

チベタン・マスティフの平均寿命は？

チベタン・マスティフの平均寿命は12歳〜15歳で、大型犬としては長寿といえます。
しかし、寿命には個体差があるので、必ずしも平均寿命まで生きるとは限りません。
チベタン・マスティフに少しでも長く元気でいてもらうためには、食事や体重管理、ストレスを与えない環境作りが重要です。

チベタン・マスティフの注意しておきたい病気はある？

ここからは、チベタン・マスティフがかかりやすい病気について解説していきます。

１：股関節形成不全

股関節形成不全とは、関節部分の骨の変形により、股関節が噛み合わないために起こる病気で、大型犬によくみられます。生後4ヶ月頃〜遅くとも3年までの間に発症するといわれています。特徴的な症状としては後肢のふらつき、腰をふるように歩くなどが挙げられます。動物病院にてレントゲン検査で股関節の形を一度チェックしてもらいましょう。原因は遺伝的素因が一番ですが、成長期の偏った栄養や運動などが関与していると言われているので、幼齢期に過剰な栄養を与えることはないようにしてください。

２：外耳炎

チベタン・マスティフは垂れ耳で耳がムレやすいため、外耳炎にかかりやすい犬種です。外耳炎とは、耳垢などで起こる外耳の炎症です。外耳炎を防ぐためには、日々の耳掃除が重要なので、こまめにお手入れをしてあげるようにしましょう。放置すると、炎症が内耳や中耳へと広がり、内耳炎や中耳炎を引き起こします。耳をかく頻度が増えたり、臭いのあるベトベトとした耳垢が見られたりしたら、すぐに病院を受診しましょう。

３：皮膚炎

皮膚炎とは、被毛と皮膚との摩擦によって皮膚が炎症を起こす病気です。
チベタン・マスティフは暑さと湿気に弱いので、特に夏は皮膚炎を起こしやすくなります。湿疹や痒み、脱毛などがみられたら皮膚炎を疑ってください。

４：気管虚脱

気管虚脱は、空気の通り道である気管が途中で潰れてしまい、呼吸ができなくなってしまう病気です。初期症状では、空咳や水を飲んだ時にむせるなどがみられます。重度になると命に関わる恐ろしい病気のため、軽い咳でも早めに動物病院へ連れていきましょう。

チベタン・マスティフのために整えたい生活環境

チベタン・マスティフと快適に暮らすためには、以下の生活用品を揃えておきましょう。

【必要な生活用品】

• 飼育スペース・ケージ
• 食器類・床材
• 首輪やリード
• おもちゃ
• ドッグフード、おやつ
• トイレ用品
• ケア用品

チベタン・マスティフは超大型犬のため、十分な飼育スペースを必要とします。
サークルは十分な広さを確保できるものを用意し、犬用のケージ・クレートを用意すると安心です。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬の寝床として使えますよ。

また、ご飯を食べるときの食器も必要です。いつでも清潔な水が飲めるようにご飯と水飲みようの容器は別にしてあげましょう。

チベタン・マスティフは警戒心が強いため、散歩の際に、他人に襲いかかってしまう危険があります。散歩や運動をする際には必ずリードを準備するようにしてくださいね。

その他にも、おもちゃやドッグフード、トイレ用品なども準備するのを忘れないようにしてください。チベタン・マスティフにいつまでも健康にいてもらうために、ブラシや歯磨きセットも用意してあげてください。

愛犬のもしもに備えて保険に加入しましょう

チベタン・マスティフは超大型犬がゆえに、関節の病気にかかりやすい犬種です。
また、病気やケガによっては、長期的な通院や高額な外科治療が必要になることもあるでしょう。そんな愛犬のもしもの事態に備えて、ペット保険に入ることがおすすめです。

まとめ

今回は、チベタン・マスティフについて、その特徴や飼い方・しつけ方のコツ、かかりやすい病気などを解説しました。まるでライオンのように凛々しいチベタン・マスティフ。超大型犬のため、飼うのは簡単ではありませんが、とても魅力的な犬種です。
チベタン・マスティフと長く暮らすためには、かかりやすい病気を理解し、対策をすることが重要です。万が一の時には、高額な医療費が発生するかもしれません。ペット保険に加入することで、緊急事態にも冷静に対応できます。ペット保険にはさまざまなプランがあるため、ご自身の予算やニーズに合った適切なものを選びましょう。